ショパンの有名なピアノ曲、「幻想即興曲」。
この曲をアニソン風に大胆にリメイクカバーしているのが-LostFairy-の「狂気幻想グリムガルド」です。
同名の収録アルバム試聴動画。
-LostFairy-の過去の2枚のアルバム「呪われし亡国のメフィストフェレス」と「不思議な少女のオペレッタ」を再構築し、新たな物語を紡ぐ”Cross Fantasia”を謳ったアルバムとなっています。新曲とリメイク曲が混ざる構成ですが、今回紹介する「狂気幻想グリムガルド」は本アルバムの新曲です。
2作の登場人物が出会う、続編的な作品です。
ArsMagnA
-LostFairy-はゴシック&ファンタジーのシンフォニックロック風な曲を発表している同人音楽サークルです。Sound horizonや少女病の系譜にあたりますが、ダークメルヘン&ゴシックの色合いが強く、あまりアニソン臭くない独自のメロディセンスがあります。
ヴォーカルがAsriel/MISLIARのKOKOMIとどことなく似ている雰囲気もあり、Asrielが好きだった方にもオススメできます。
またArsMagnAという大枠サークルの中のユニットであり、姉妹ユニットとしてAriabl’eyeSというサークルも存在します。こちらは-LostFairy-よりもスピード感のあるメロディアスなバンドサウンド主体の音作りです。
マイナー調の強い曲が並びますが、サウンドが派手なので暗いというよりはかっこいいという感じです。アニソン感は強いですが個人的にかなりオススメのサークルです。
アルバム「穢れなき瑠璃色のローゼンクロイツ 」試聴動画。
8曲目の「穢れなき薔薇十字」はAriabl’eyeSの代表曲とも言えるドラマティックな曲。
狂気幻想グリムガルド
-LostFairy-の「狂気幻想グリムガルド」はショパンの「幻想即興曲」を随所に使用したスピード感のあるロックサウンドになっています。
イントロから幻想即興曲をサンプリングしたようなピアノがループされ、イントロのラストのピアノフレーズも幻想即興曲からの引用です。
一見オリジナルの歌メロに聴こえるAメロは、幻想即興曲冒頭の有名なフレーズをベースにしています。超高速の16分音符が続いてとても歌えそうにない旋律を、メロディラインは残したまま音符数を減らし、リズム感を付けて自然なAメロに仕立て上げています。
非常に珍しい手法で、とても面白い引用の仕方です。ポップス風にアレンジするとこんな風になるのか、ととても驚きました。
一旦ブレイクの後続くBメロは、Aメロで引用している部分から続く幻想即興曲のメロディをそのまま歌っています。原曲の流れそのままなので当たり前ですが、とても自然でかっこいい展開です。
サビはオリジナルの旋律を使用し、その後間奏ではギターソロとピアノソロで幻想即興曲を再現しています。
原曲のスピード感とメロディアスさをツインボーカル&バンドサウンドと多彩な楽器群で更にスケールアップさせており、クラシック感がありつつも独自性の高いハイクォリティなカバーです。いいですよこれ。
この曲が気に入った人はきっとこちらの記事で紹介している曲も気に入ると思います。
モーツァルトの交響曲25番をアニソン&シンフォニックロック風に再構築しており、サビはオリジナル。と多くの共通点があります。是非合わせてお読み下さい。
また-LostFairy-は他にもクラシックを引用した曲をリリースしています。こちらの記事で紹介しています。
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