私が大好きなジャンルのドラムンベース。何と言っても独特のスピード感と、繰り返しからの緊張&緩和によるカタルシスが中毒性のあるジャンルです。
代表的なアーティスト等は他の詳しい方に譲るとして、私が一番好きなのはHigh Contrast。”リキッド・ファンク”というジャンルで語られる事も多いです。個性的なベースライン&ドラムパターンと騒がしくないキレイなサウンドが特徴。
私がドラムンベースを知るきっかけになったのはAsian Dub Foundationの「Flyover」。アジア感満載の高速ドラムン歌曲。
今回はRemix曲などは抜きにして、オリジナルの日本人アーティストによるドラムンベースなヴォーカル曲を紹介していきます。どの曲もスピード感あふれる良い曲ばかりです。
邦楽アーティスト
tofubeats「REFLECTION feat. 中村佳穂」
音楽プロデューサーでもありながら、ソロ作品も積極的にリリースしチャート上位に位置するDJ&トラックメイカー。millennium paradeとのコラボも果たしブレイクした歌手中村佳穂を迎えた、クールで疾走感のあるスタンダードなドラムンベース曲。一曲を通して流れるようなトラックとは対照的に裏腹に、パートによって執拗に韻を踏んだり裏拍を連発してみたりとヴォーカルのクセが強い。
2021年。
ニルギリス「Walküre」
他の楽曲でLondon Elektricityとコラボしたこともあり、彼らの影響を強く感じる曲。抒情的かつ劇的な曲展開が素敵。
NIRGILISはデビュー時のオルタナポップからマッシュアップ&純J-POP期を経て、最後に明快なダンスミュージック&ポップネスに辿り着きました。そんな後期のNIRGILISの作風を象徴する名曲。
ちなみに代表曲「sakura」はオリジナル曲とアメイジンググレイスのマッシュアップ曲。アメイジング・グレイスがサビの対旋律として登場します。また「恋のレジスタンス」という曲でもドラムンベースをしています。
中島美嘉「LEGEND」
エレクトロニカ&ドラムンベースな一曲。動画で流れる部分の直後からドラムパターンが入ってきます。ヒットしていない曲にこそ中島美嘉の本領があります。COLDFEET編曲。
hiro「ME AND YOU (Riding Waves)」
同じくCOLDFEET編曲。収録アルバム「Naked and True」は、他にも葉山拓亮、伊秩弘将等による様々なアプローチのダンスポップナンバーが並ぶ良い作品。
ICONIQ「LADIES」
m-floのTaku Takahashiプロデュース。軽快なリズムの正統派ドラムンベース&ポップな隠れた名曲。m-floでもリミックスとかじゃなくてこんなガチなのどんどんやれば良いのに。
Ram Jam World feat.Lisa「Planet Earth」「melody」
m-floのLISAをヴォーカルに据えたドラムンベース曲。名曲です。英詩で展開に起伏のある「Planet Earth」、日本語でハードに駆け抜ける「melody」の2バージョンあるので、お好みでどうぞ。
レキシ「GOEMON feat. ビッグ門左衛門 (三浦大知)」
歴史物ファンクミュージシャン、レキシと三浦大知のコラボ。せっかく三浦大知を呼んだのに全く躍らせず無駄遣いをしていると言われる共演。しかしドラムンベースとスカファンクを混ぜた独特のグルーヴのこの楽曲、とてもじゃないけど並大抵のリズム感では歌いこなせない。
2018年。
長谷川白紙「毒」
渋谷系やジャズのオシャレ感と、DTMの普及により増加した音数が多く発想豊かな今どきのアレンジ・さらにエイフェックス・ツインのようなアヴァンギャルドさやダンスミュージックの手法を混ぜ込んだ、カオスなポップソングが特徴的な新進気鋭アーティスト。
2018年リリースのアルバム『草木萌動』収録。変態サウンドマニアにはラストの「はみ出す指」がおススメ。
パソコン音楽クラブ「海鳴り」「hikari」
2015年結成のDTMユニット。インスト曲や、ゲストヴォーカルを招いての歌ものテクノを発表している。この2曲はそれぞれアルバムのラストに配置された曲。アンビエントテクノ&ドラムンベースで最高に美しい音色を奏でる「海鳴り」と、長谷川白紙をゲストに招き夜明けを表現した「hikari」。
2021年、2019年。
石崎ひゅーい「さよならエレジー」
俳優の菅田将暉に提供しヒットした楽曲のセルフカバー。某TV番組で、原曲との違いについて「語尾の歌い方を男らしい菅田将暉と対照的に女々しい感じにした所に拘った」といった旨の発言をしていましたが、どう聴いても語尾の歌い方よりもドラムが思いっきり変貌している。暴走寸前のエモーショナルな人力ドラムンフォーク。
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