私は、ガラスが割れる音が入っている曲が何故か大好きなのです。
どうしてガラスの割れる音をサンプリングした音楽に魅力を感じるのだろう…。という事で、ガラスの音を使用した曲を集め、どういった使われ方をしているのかを特集してみました。ガラス割れソングの魅力の秘密に迫ります。
邦楽編
ReoNa 「ないない」「まっさら」
アニソンシンガー。「ないない」は、現代洋楽風のサウンドから、いつの間にかゴシック系ポップスに変貌します。
「ないない」では、ガラスの音はAメロのブレイクとアウトロに登場。曲を彩る、数多のギミックの一つとしてガラスの音も使用されています。主人公の繊細な精神状態がガラスの音に暗示されているようにも聞こえます。
「まっさら」は「ないない」のカップリング。「ないない」と同じような雰囲気の曲です。ガラス音も同じような使い方をされています。
「命」をテーマにしたメッセージ性の強い楽曲であり、ガラスの割れる音は「どこかで壊れてしまった誰かの命」を表現しているとも考えられます。
2021年リリース。
B’z「僕の罪」
ストーリーアルバム『FRIENDS』で、「いつかのメリークリスマス」の次に収録されている曲。恋人と別れた後の再開を歌う「僕の罪」。曲の冒頭及びラストのサビ直前に登場する、ガラスが割れる音。恋人との破局を表現しているものと思われます。
1992年リリース。
L’Arc〜en〜Ciel「Dune」
デビューアルバムの表題曲。イントロでガラスが割れます。恋愛を歌っていますが、歌詞では月や砂など、時間が経つと消えてしまう儚い物がモチーフとして使われています。そんな美しくも儚いモチーフの一つとしてガラスの割れる音が使用されているものと思われます。
また、イントロは浮遊感のある幻想的なキーボードのパートと、エモーショナルなギターリフを聴かせるパートの二段構えとなっています。ガラスの割れる音は、そんなイントロのパートの切り替えをドラマティックに演出しています。「静寂を打ち破る」「幻想の壁を破り、現実へ」といった感じでしょうか。
2000年リリース。
FANATIC◇CRISIS/FANTASTIC◇CIRCUS「火の鳥」
1997年デビューのヴィジュアル系ロックバンドの代表曲。2022年に結成30周年を記念しリメイク。
サビの1拍目でガラスが割れる音が登場。サビにインパクトを与えています。
またガラスの音は、火の鳥が生まれ変わる瞬間の音・舞い上がる愛情が天井を突き破る音・アレの最中のアノ瞬間を比喩した音など、多様な解釈ができます。
オリジナルは1998年リリース。
Mom「あかるいみらい」
2018年デビューのシンガーソングライター/トラックメイカー。
冒頭のガラス音に加え、曲中にもガラスのサンプリング音が登場。ヴァースの区切りとして、効果音的に使用されています。
歌詞は難解ですが、あえて深読みするなら既存の価値観を壊すイメージ・クールでシュールな世界観などをガラス音で表現しているのかもしれません。
2020年リリースの3rdアルバム「21st Century Cultboi Ride a Sk8board」収録。
アルファ「ガンバリスギDEナイト」
日本のHIPHOPユニット。ガラスが割れる音をサンプリング。全体的にユルくてくだらない雰囲気に乗る、レトロなテクノ風トラックがORANGERANGE世代。
2小節でループするトラック。1小節目の4拍目がブレイクになっており、2小節目の4拍目でガラスが割れる。ループさせるトラックにガラス音でメリハリをつけています。
2003年リリース。
ひとしずくP「秘蜜〜黒の誓い〜」「秘蜜〜白の誓い〜」
ボーカロイド曲。人間と天使の禁断の恋を描いた曲。「秘蜜〜黒の誓い〜」では、ガラス音は落ちサビからラストのサビへの盛り上げに使用されます。天使が愛する人間の女性を助けるために身を犠牲にし、消え去る音として使われています。
一方「秘蜜〜白の誓い〜」は、同様の物語を人間の女性側の視点で描いた曲。ガラス音は同様にラストのサビの直前で使用されます。
この楽曲だけを聴くと、ガラス音は女性が記憶を取り戻した瞬間の音のように聞こえますが、「秘蜜〜黒の誓い〜」のガラス音の意味を踏まえた上で聴くと、全く別の意味を持ちます。
即ち、①:これから起きる悲劇(愛する男性の死)を暗示している。もしくは、②:歌詞では説明されていないけれど、落ちサビとラストのサビの間で、駆け落ち⇒男性が消え去るまでの出来事が起きている(実はここで時間が経過している)。
合わせ技で一本の2曲です。
「秘蜜〜黒の誓い〜」はこちらの1stアルバムに収録。2012年。「秘蜜〜白の誓い〜」は同人CD『秘蜜〜無色の誓い〜』に収録されていますが廃盤です。駿河屋等で買えます。
Paradise Eve「新宿レイニー」
同人音楽サークル。1番及びラストのサビ直前で登場するガラスの割れる音は、恋人を殺害した音として使用されています。
綺麗に透き通るガラス音は、聴き手に不思議な爽快感をもたらすと同時に、修復する事ができない不可逆的な過ちを犯してしまった事を印象付けています。
2019年のシングル『ワタシメモリアル』収録。普段の幻想的で美しいコーラスワークな作風とは一味違う、異色の作品。
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