ショパン

幻想即興曲/ゲスの極み乙女。「キラーボール」

今回紹介するのは、日本のロック(?)バンド、ゲスの極み乙女。の「キラーボール」です。

MV。当時CDTVのOPテーマでした。懐かしい。

 

インディーズ2ndアルバム「踊れないなら、ゲスになってしまえよ」に収録されています。この頃から人気が出てきました。
2013年リリース。

 

 

 

ゲスの極み乙女。は今ではもう説明不要の有名バンドです。

 

音楽性としては、ピアノ・ドラム・ベースが目立ちスピード感やセッション感の強い曲が多いという意味ではトリオジャズっぽくもあり、ボーカルの歌唱方法はヒップホップ的でもあり、コロコロ変化する曲調はプログレ的でもあります。しかしファンク風リズムの曲も多く、またこのサイトで紹介する通りピアノが前面に出る曲はクラシック的でもあります。

 

個人的には「ヒップホッププログレバンド」というのが一番しっくりきますが、型にはまらないジャンル、という事で無理にカテゴライズするのは野暮ってもんです。

 

 

そんなゲスの極み乙女。の「キラーボール」ですが、

曲の中盤から始まる間奏の途中で、唐突にショパンの「幻想即興曲」が入ってきます。

 

ベース&ドラムの間奏からキーボードのターンになった途端の「幻想即興曲」はインパクト抜群です。幻想即興曲といえば、あからさまに難易度が高い有名フレーズであり聴き手を一気に惹きつけます。

また直前のベース&ドラムのパートが即興風なので、その直後にザ・クラシックなピアノ曲のフレーズが入る事で更に違和感が倍増しています。

 

またピアノから再び元のバンドサウンドに曲調に戻る部分がかっこいいです。さながらピアノソロからオーケストラにバトンタッチするピアノ協奏曲のようです。

 

ピアノソロからサビに行くのではなく、Aメロに行く所も、盛り上がって行く途中感があって良いです。短調の幻想即興曲の熱い面が見れます。

 

 

2019年には「キラーボール」の続編的な曲、「キラーボールをもう一度」がリリースされました。

「キラーボール」の雰囲気に加え、哀愁を帯びたメロディやサックスのアレンジなどノスタルジックな要素を多く取り入れています。

幻想即興曲 / ゲスの極み乙女。「キラーボールをもう一度」ゲスの極み乙女。が2019年に配信リリースした楽曲「キラーボールをもう一度」で、ショパンの幻想即興曲を引用しています。 ...

 

 

キーボード担当  ちゃんMARI

キーボード担当のちゃんMARIはクラシックピアノの素養や短大音楽科の卒業歴等があり、様々な音楽に精通しているようです。

 

ゲスの極み乙女。ボーカルの川谷絵音がTV番組でやっている企画バンド「ジェニーハイ」では、なんとあの新垣隆氏のピアノパートアレンジをちゃんMARIが担当しています。

 

ジェニーハイの「ランデブーに逃避行」。

 

この「ジェニーハイ」でもピアノの存在感が凄いです。只者ではないキーボーディストです。

 

ゲスの極み乙女。が2018年にリリースしたアルバム《好きなら問わない》収録の楽曲「オンナは変わる」では、ベートーヴェンの交響曲第5番「運命」を引用しています。こちらもクラシックをとても効果的に引用した楽曲となっています。こちらの記事で解説しています。合わせてお読みください。

交響曲第5番「運命」/ ゲスの極み乙女。「オンナは変わる」ゲスの極み乙女。の4thフルアルバム《好きなら問わない》の収録曲、「オンナは変わる」は、間奏で大胆にベートーヴェンの交響曲第5番「運命」...
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syro:生まれも育ちも長崎市です。二児の子育て中。 趣味はインドア全般。音楽以外ではスマホ収集とトライエースと三島由紀夫と遠藤周作が特に好きです。 好きな作曲家はメンデルスゾーンと葉山拓亮。

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