バッハ

小フーガ ト短調/X「ROSE OF PAIN」

説明不要のバンド“X JAPAN”。中心人物のYOSHIKIがドラム兼ピアノ担当であり、更にハードロック/メタルとクラシック両方に音楽的ルーツがあるという要素から、X JAPANの音楽性もクラシック的な要素を含んだHR/HMとなっています。

そんなXが1989年にリリースしたアルバム、「BLUE BLOOD」に収録されている楽曲「ROSE OF PAIN」で、バッハの「小フーガ ト短調」を引用しています。

リンク先で一部視聴できます。「紅」「X」「ENDLESS RAIN」収録。粗削りながらも良い曲揃い。未だに最高傑作と呼ぶファンも多いです。

 

「ROSE OF PAIN」はアルバムの中でも最長の12分近くに及ぶ長さの楽曲であり、「小フーガ」を引用したオルガン⇒ギターソロで始まるクラシカルなハードロック曲です。オーケストラとの共演も果たしています。

曲の途中にも「小フーガ」のフレーズが登場します。ギターソロやピアノソロもクラシカルです。

そして前半の6分間、たっぷりとロックバラードを演奏した後、疾走を始める展開がアツいです。この静と動のメリハリがXの魅力の一つでもあります。

ラストでは「小フーガ」のフレーズを勇ましくポジティブな雰囲気に転調させて再現し、幕を閉じます。ドラマ性の強い曲です。

 

バッハの原曲はこちら。

 

ART OF LIFEと”協奏曲”

X JAPANとクラシックを語るうえで外せないのが大作「ART OF LIFE」です。

30分間に及ぶ超大曲。クラシックに馴染みのある方には当たり前の1曲30分ですが、ポップス畑のアーティストでこれです。しかもその作品でCDを50万枚以上売り、オリコン1位を取っています。X JAPANにしかできない奇跡と言えます。

 

こちらは「ROSE OF PAIN」の方向性を更に推し進めたような曲で、よりオーケストラサウンドが重厚になっています。

そして曲の後半のピアノソロ。賛否の分かれる、全部で8分以上に及ぶ長いピアノソロです。冗長だと批判する方も多いですが、クラシックをベースに考えると必要なパートです。

ヴォーカルとピアノが主役で、オーケストラを従えたクラシカルな大曲。これはまさに協奏曲(コンチェルト)の様相です。

そして「ART OF LIFE」の、曲終盤に長いピアノソロ(カデンツァ)を配置し、その直後に曲のピークを持ってくる構成は、まさしくモーツァルトのピアノ協奏曲そのものです。

 

こちらはモーツァルトのピアノ協奏曲20番の第1楽章11:00~13:00辺りにかけて、約2分間のカデンツァをじっくり演奏した後、曲は最高潮を迎えます。

「ART OF LIFE」の長いピアノソロも、その直後に最高のカタルシスを作るためには絶対に必要なパートと言えます。

 

協奏曲の形式に近い曲構成に加え、オーケストラとの共演を果たしている「ART OF LIFE」は、言い換えれば「YOSHIKIとTOSHIのための協奏曲」と形容する事ができます。

 

ABOUT ME
syro
1984年生まれ。生まれも育ちも長崎市です。 2人の子育てが大変なので、夜中にちまちま記事を書き通勤中と昼休みに曲を聴く日々。 趣味はインドア全般。音楽以外では辛麺と洗濯とトライエースと三島由紀夫と遠藤周作が特に好きです。 好きな作曲家はメンデルスゾーンと葉山拓亮。

COMMENT

メールアドレスが公開されることはありません。