今回紹介するのはイギリスのクラシカル・エレクトロバンド、クリーン・バンディットの曲「Rehanna ft. Noonie Bao」です。
この曲、2014年リリースの1stアルバム「ニュー・アイズ」の日本版ボーナストラックとして収録されています。
グラミー賞も受賞した大ヒットシングル「Rather be」収録。
このアルバム、収録された先行シングルがモーツァルトの弦楽四重奏第21番や、バッハのマタイ受難曲をサンプリングしていたのでそれ目当てで購入したのですが、
いざ聴いてみるとボーナストラックの「Rehanna」が一番気に入ってしまい、「これも何か引用しているっぽいぞ」と調べてみると、案の定モーツァルトの弦楽四重奏第15番の第1楽章でした。
原曲の演奏映像。
こんなサイトを作っておきながら、恥ずかしいことに私今までモーツァルトの弦楽四重奏には全く手を付けていませんでした。しかしめっちゃ良いではないですか。モーツァルトの哀愁のメロディがこれでもかと詰まっています。
モーツァルトの弦楽四重奏第15番は、オラトリオ「天地創造」や膨大な量の交響曲で有名な作曲家、ハイドンに献呈された6曲の弦楽四重奏曲(ハイドン・セットと言われます)のうちの1曲です。
モーツァルトの弦楽四重奏曲は25曲ありますが、そのうち2曲しか無い短調の曲のうちの1曲。私の大好きな「ザ・短調のモーツァルト」です。ダークサイド・モーツァルト。
このモーツァルトの弦楽四重奏、どこかで聴いた作風だと思ったら、私の好きなクラシカル・ヒップホップユニット「faith」のトラックの作風に似ています。
「faith」はクラシカルなオリジナルのトラックを作りますが、ルーツがよく解らず「クラシックのどの辺を参考にしているんだろう」といつも考えていたのですが、少なくともモーツァルトの弦楽四重奏をルーツの一つにしていたのではないでしょうか。
ちなみにこちらの記事でfaithを紹介しています。Crean Banditの「Rihanna」が好きなあなたならきっと気にいるはず。
リアーナ
Crean Banditの「Rihanna」は弦楽四重奏第15番のフレーズをサンプリングした音に、レゲエ風のリズムやデスティニーズ・チャイルド辺りの古めのR&B風の歌メロを合わせた曲です。バックで鳴るマリンバ風の楽器のメロディもとても切ないです。
全体的に隙間の多いアレンジが、曲の持つ哀愁を増大させています。曲の余白でたっぷりイメージを膨らませながら聴きましょう。泣けてきます。
3分程度の短い曲ですが、曲の中盤で弦楽四重奏パートに一旦移る事で、シンプルな構造の曲にメリハリを付けています。
先日待望の2ndアルバムも発売されました。
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