ロシアのシンフォニック・プログレバンドLittle Tradedies(リトル・トラジェディーズ)。
楽曲「Confutatis」にて、モーツァルトのレクイエムの中の一曲である、「判決を受けた呪われしもの(Confutatis)をカバーしています。
2006年リリースのアルバム『New Faust』収録。
2枚組、全110分の大作。一曲目からマタイ受難曲の冒頭の曲である「来たれ,娘たちよ,われと共に嘆け」をバックに語りを挿入する楽曲で、只者ではない雰囲気を醸し出しています。
特筆すべき曲はDisc1のクライマックス「Two Demons」とDisc2の「The Passing」「Eternal」。プログレメタル・抒情プログレ・クラシック・映画音楽的要素を圧倒的なテンションで全て注ぎ込んだ、まさしく彼らの集大成的な大曲です。それぞれ28分、13分、15分。
サウンドの方向としては、”ELP×DREAM THEATER”という感じです。親しみやすく自由自在なキーボードの音色はまさしくキース・エマーソン。そして激しく重いギターに複雑な変拍子&曲構成。
そして更に、要所要所で管楽器やチェンバロなどオーケストラ楽器の音色も加わります。この音色がかなり曲の派手さを増大しており、個性を発揮しています。
要所要所で男性ヴォーカルの歌唱も登場します。
このサウンド、とにかく刺激的でカッコいい。四大プログレバンドしか知らない、という人にこそ聴いてほしいバンドです。更にプログレッシヴに進化した音楽がここにあります。
どんな音が、どんなメロディが、どんなリズムが出てくるか分からないワクワク感。めくるめく音とメロディとリズムの洪水に圧倒される事請け合いです。
こちらはLittle Tragedyの作品の中でも私が気に入っている『At Night』。
2014年の作品。プログレは過去の音楽では無い事を思い知らされます。
2005年のアルバム『Return』では、グリーグの「トロルドハウゲンの婚礼の日」を引用した楽曲が収録されています。こちらの記事で紹介しています。
正統派プログレ&ジャズロックの『Return』、バラード多めの民謡抒情プログレメタル『At Night』、クラシック要素の強い超大作『New Faust』、お好みでどうぞ。
モーツァルトの原曲はこちら。