映画「アマデウス」で有名なモーツァルトの「交響曲第25番」。
モーツァルトは短い生涯で膨大な量の作曲をしましたが、そのほとんどが長調の曲です。
いわゆる「α波が出る癒やしのモーツァルト」ですね。
しかし数少ない短調の曲はどれも有名で大変メロディアスかつドラマティックな曲ばかりです。
「レクイエム」「交響曲40番」「ピアノ協奏曲20番」「大ミサ曲ハ短調」等。
今回紹介する「交響曲第25番」もト短調の曲です。
「クラシカロイド」とはNHKで放映されたアニメで、クラシック要素が多分に盛り込まれています。ちなみに主題歌は布袋寅泰が作曲しており、イングウェイばりのネオクラ風ギターを存分に味わえます。
また作中で数多くのクラシック曲が歌ものアレンジされて登場します。
その中で今回紹介する「疾風怒濤 ~交響曲第25番より~」は、主にプロデューサーやDJとして活躍しているtofubeatsの作曲となっています。アイドルやJポップのRemixなどで有名です。
アルバム試聴動画で聴けます。
この「疾風怒濤」、なんとドラムンベースです。
ドラムンベースというのは1990年代頃に流行ったダンスミュージックの一種で、
ダンスミュージックの中でも更にマイナージャンルなのです。
ドラムンベースアレンジの邦楽曲といえば
H Jungle with t「WOW WAR TONIGHT 〜時には起こせよムーヴメント」(レゲエ&ドラムンベース)
RIP SLYME「JOINT」(HIP HOP&ドラムンベース)
中島美嘉「LEGEND」(エレクトロニカ&ドラムンベース)
iroha feat.鏡音リン「炉心融解」(ボーカロイド&ドラムンベース)
などありますが、ドラムンベース超大好き筆者の私も10曲くらいしか思い浮かびません。
スピード感のあるドラムをループさせる事で高揚感を生み出すサウンドです。
「疾風怒濤」はそんなドラムンベースサウンドに25番のメロディを当てているのですが、
これが大変かっこいいです。
クラシックのカバーというと、ともすれば有名なメロディをそのまま歌ってしまう安直な構成になりがちですが、
本曲は間奏に主題のメロディを配置しています。
そのため歌メロから間奏に入る部分で一気に盛り上がる独特な構成となっておりとても新鮮です。
間奏にスイッチする部分でドラムパターンも一気に激しいものに変化するので一層カタルシスがあります。
ドラムンベースの魅力というのはこの「静と動」にあり、静かなパートから激しいパートに変化する所が鳥肌モノの聴きどころなのですが、「疾風怒濤」はそんなドラムンベースの魅力を余すことなくクラシックと結びつけた名曲です。
この「疾風怒濤 ~交響曲第25番より~」収録のCDは、他にもファンクなバッハ、シューベルトの魔王にラップを乗せるなど趣向を凝らした曲揃いです。
CD収録のオフボーカルバージョンも普通にインスト曲として聴ける素晴らしい出来です。
ちなみにこの「クラシカロイド」、他の参加アーティストは布袋寅泰・つんく・浅倉大介などかなり大御所揃いです。
その中に知名度では一段劣るtofubeatsをしかもモーツァルト担当に抜擢している事から
氏の適性や実力が伺えます。
クラシック×ドラムンベースの曲をもう1曲このサイトで紹介しています。ぜひ聴いてみてください。↓↓
ちなみにこういうのもあります。ワルキューレの騎行をサンプリングしたドラムンベースのインスト曲。
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