ボロディン

だったん人の踊り/坂本真綾「THE GARDEN OF EVERYTHING 〜電気ロケットに君をつれて〜」

クラシック×ドリルンベース

声優兼歌手として活動している坂本真綾

2003年リリースのシングル「tune the rainbow」のカップリング曲「THE GARDEN OF EVERYTHING 〜電気ロケットに君を連れて〜」で、ボロディン作曲の『だったん人の踊り』をカバーしています。

リンク先で一部視聴できますが、ぜひフルで聴いて欲しいです。この曲は凄いぞ。

 

 

坂本真綾と菅野よう子

坂本真綾は声優兼歌手として活動しており、音楽活動でも一般的なアニソンとは一線を画する曲調で根強いファンが多くいます。

実質水樹奈々と双璧を成す声優歌手と言って良いのではないのでしょうか。

 

そんな坂本真綾を2003年までプロデュースしていたのが菅野よう子です。坂本真綾の楽曲の他には「カウボーイビバップ」「創聖のアクエリオン」「マクロスF」のBGM兼主題歌を作曲していることで有名です。

 

またSMAPのシングル曲「not alone 〜幸せになろうよ〜」「さかさまの空」や、NHKの東日本大震災プロジェクトテーマソング「花は咲く」の作曲などもしています。

 

多岐にわたるジャンルの曲を発表しており取っ付きづらい曲も多いですが、定期的に大ヒット曲を出します。

 

SMAPへの提供曲は、ポップス然としている割になかなか掴みどころのない不思議な曲でした。若手アーティストに積極的に作曲依頼をする等チャレンジングなSMAPらしい曲調です。

 

 

今回紹介している坂本真綾「THE GARDEN OF EVERYTHING 〜電気ロケットに君をつれて〜」がカップリングされているシングル曲「tune the rainbow」は劇場版アニメ「ラーゼフォン」の主題歌です。奇をてらわないシンプルな温かみのある曲。

 

「ラーゼフォン」と言えば、TVアニメ版の主題歌「ヘミソフィア」が坂本真綾の代表曲の一つです。こちらはマイナー調でスピード感のある不思議な世界観の曲で、ザ・菅野よう子という感じのオンリーワンな曲です。

 

この「tune the rainbow」までは菅野よう子プロデュースですが、以降は菅野よう子のプロデュースから離れ、路線変更をしていく事となります。そして2008年リリースのマクロスF主題歌「トライアングラー」で久々の共作を果たす事となります。

 

坂本真綾×菅野よう子のサウンドは、透明感のある歌声と隙間の多くオシャレなアレンジで唯一無二の存在感があります。

 

THE GARDEN OF EVERYTHING 〜電気ロケットに君をつれて〜

「THE GARDEN OF EVERYTHING 〜電気ロケットに君をつれて〜」は全部で6分半程度の曲です。アメリカ人の歌手であるSteve Conteとのデュエットであり、ツインヴォーカルでゆったりしたテンポで曲は進んでいきます。サビは坂本真綾が「だったん人の踊り」のメロディを歌い、同時にSteve Conteが別のメロディを歌います。

 

原曲「だったん人の踊り」視聴はこちら。

 

原曲の「だったん人の踊り」はとても哀愁のあるメロディですが、おしゃれなコード進行とSteve Conteの歌う対旋律が原曲のメロディのクサさを薄めており、メロディアスでありながらもあっさりした仕上がりです。

2種類の全く違うメロディが同時進行するサビはとても斬新です。

 

 

曲の序盤はいつもの隙間の多いアレンジで透明感のあふれる曲調ですが、2番からドラムやシンセの音数が増えてきます。

ドラムの手数の多いスピード感のあるアレンジも菅野よう子の得意な曲調です。

創聖のアクエリオンの2期OPの「Go Tight!」やマクロスFの2期OP「ライオン」・攻殻機動隊OP「inner universe」などが代表的です。

 

 

ところが2番のサビから急にアレンジが変わります。これは…なんとドリルンベース!

ドリルンベースというのはテクノ・ミュージックのうちの一つのジャンルで、テンポの速さとドリルのように高速で連打されるドラムが特徴です。代表的なアーティストにAphex Twin(エイフェックス・ツイン)が挙げられます。

Aphew Twin「T69 Collapse」MV。

「ダダダダダッ」と連打されるドラムは32分音符でしょうか。人力では到底不可能なスピードです。これがクセになります。ダンスミュージックのカテゴリですが、フロアで踊るというよりはホームリスニング用。ヘッドホンでじっくり聴くためのテクノといった感じです。何が出てくるか解らないヘンテコサウンドを楽しむものです。現代音楽に通じるものがあります。

 

ダンスミュージックの中でもマイナーなジャンルであるドリルンベース。なんとアニソンのカップリング曲で且つクラシックカバーという、音楽界でも秘境中の秘境でドリルンベース曲に出会えるとは…。

 

クラシックとオリジナルの2種類の旋律が同時進行するうえに、後ろではドリルンベースが暴れているというとんでもない曲な「THE GARDEN OF EVERYTHING 〜電気ロケットに君をつれて〜」ですが、実際に聴いてみると美しいシンセサウンドと透明感のあるボーカル、そして綺麗なメロディで普通にロマンティックな曲に聴こえます。こんなに変態サウンドなのに。

 

個人的にはそこまで好みの作曲家ではない菅野よう子ですが、凄い方ですね。恐れ入りました。

 

菅野よう子プロデュース後期の曲を収めたシングルコレクション。坂本真綾が一番脂が乗っている時期の曲が詰まっています。 「THE GARDEN OF EVERYTHING」「ヘミソフィア」「tune the rainbow」収録。

ABOUT ME
syro
1984年生まれ。生まれも育ちも長崎市です。 2人の子育てが大変なので、夜中にちまちま記事を書き通勤中と昼休みに曲を聴く日々。 趣味はインドア全般。音楽以外では辛麺と洗濯とトライエースと三島由紀夫と遠藤周作が特に好きです。 好きな作曲家はメンデルスゾーンと葉山拓亮。