今回紹介するのはTM NETWORKの「HumanSystem」。
モーツァルトのピアノソナタ第11番の第3楽章、「トルコ行進曲」の題名で知られる曲のフレーズを引用しています。
「Get Wild」のヒットからベストアルバムのリリースを経て制作された、5thアルバム「humansystem」収録。1987年リリース。少し視聴もできます。
鈴木あみがカバーして有名になった「Be together」や不朽の名曲「Resistance」も収録されています。TM NETWORKのアルバムの中でも人気のある1枚です。
TM NETWORK
TM NETWORKは言わずと知れた小室哲哉率いるバンドです。
ヴォーカルの宇都宮隆は、アニメ「進撃の巨人」主題歌で知られるLinked horizonのオルタナティブ・プロジェクトであるSound horizonの作品「Moira」でもゲストボーカルで登場し、オンリーワンの存在感を放っていました。
最高傑作との呼び声も高いアルバム「Moira」。ライブでは宇都宮隆本人も出演しました。
いわゆる「小室ファミリー」の曲では、女性ボーカルの高音をこれでもかと見せつけるような高音のサビの曲が印象的ですが、TM NETWORKでは低めの男性ボーカルで盛り上がりきらずもマイナー調の美しいメロディを聴かせます。この盛り上がりきらない感じが逆にわくわくします。良いです。
またシンセサウンドと特徴的な歌声が印象的なTM NETWORKですが、ベースの弾き方などブラックミュージックであるファンクの影響も強く受けています。アルバム「humansystem」2曲目の「kiss you」も思いっきりファンクです。実はベースがかっこいいんですよTM NETWORKは。
HumanSystem
何と言っても、冒頭の切ないメロディから転調しトルコ行進曲のフレーズが流れ出すイントロが出色の出来です。最高です。
2段構えのサビも良いです。ドラマティックな前段と普遍的なコーラスによる後段。曲調に合わせてスケールが大きくなる歌詞。個人のドラマから「人類」という普遍的なテーマを描き出す作品のテーマを曲で表現しています。
そしてアウトロで再び流れ出す「トルコ行進曲」のメロディ。長い旅を経て再び現れる旋律は、冒頭で聴いた時よりも切なさと希望感が倍増しています。
美しいメロディの普遍的な名曲。意外なジャンルの曲で「これってHumanSystemやん」と思う事も数回ありました。
小室哲哉とクラシック
シンセサイザーのイメージが強い小室哲哉ですが、クラシックとの関わりも数多くあります。
ミュージカル「マドモアゼル・モーツァルト」のために描き下ろした楽曲を収録したサウンドトラック。オーケストラとの共演や、「humansystem」同様トルコ行進曲をアレンジした曲・モーツァルト×ダンスミュージックなどクラシカルな1枚。
ちなみに小室哲哉選曲のクラシック音楽集というのもあります。無難な選曲ですが、小室哲哉自身の選曲と思うと、感慨深いものがあります。
またglobeや安室奈美恵の曲にも、クラシックをカバーした曲があります。
こちらの記事で紹介しています。
[…] トルコ行進曲/TM NETWORK「HumanSystem」今回紹介するのはTM NETWORKの「HumanSystem」… […]
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