チャイコフスキー

白鳥の湖/ダーク・ムーア「Swan Lake」

今回紹介するのはDark Moor「Swan Lake」です。

 

チャイコフスキーのバレエ音楽「白鳥の湖」のカバーです。

カバーと言ってもそのまま原曲をなぞるわけではなく、しっかりとオリジナリティを出しています。

少し視聴できます。8分に渡る大曲です。

 

チャイコフスキーの「白鳥の湖」はバレエのために作曲された楽曲群です。

バレエ「白鳥の湖」はクラシックバレエの中でも一番有名な題材ですが、全部で2時間半と大変な時間がかかる大作です。バレエ自体もシンプルな衣装で難易度の高い演技を必要とされるため難しいバレエと言われています。

 

特に主役は優しく清純な白鳥と、王子を騙す悪女に化ける黒鳥の二役を演じる必要があり、また有名な「黒鳥のパ・ト・ドゥ」(片足立ちのままその場で32回転する)など体力と技術を必要とする場面もありとても大変な役です。

映画「ブラック・スワン」はそんな白鳥の湖の主役を演じたいがために、清廉な女性が闇に染まっていく過程を描いています。私の大好きな映画です。賛否が分かれるラストは必見です。(ちなみに私はあれはハッピー・エンドなのだと思います)。

終始「白」と「黒」の対比がなされているため、「白」と「黒」に注目しながら観ると面白いですよ。

 

組曲「白鳥の湖」

コンサートやCDで披露される「白鳥の湖」は、数多くの曲の中から抜粋され、5~10曲程度に編集された組曲版です。

 

その中でも有名な曲は、第2幕の冒頭で流れる「情景」と、その後しばらく続く白鳥のダンスシーンの中で演奏される「四羽の白鳥の踊り」です。

「情景」 と 「四羽の白鳥の踊り」



この2曲がずば抜けて有名な曲ですが、個人的に一番気に入っているのは序曲です。思いっきり盛大に盛り上がる「ザ・序曲オブ序曲」です。大好き。

この動画の4分くらいから。

 

「くるみ割り人形」や「眠れる森の美女」の序曲に比べると何故か1段知名度では劣りますが、良い曲ですよ。

 

“Swan Lake”

Dark Moor「Swan Lake」は「情景」と「四羽の白鳥の踊り」を引用している曲です。

イントロと出だしのサビから「情景」冒頭のメロディをこれでもかと使ってきます。そしてAメロで「四羽の白鳥の踊り」が登場し、オリジナルのBメロを経て「情景」冒頭のサビに続きます。

2番では「四羽の白鳥の踊り」は登場せず、サビで「情景」のメロディの後半まで引用し、ドラマティックに展開していきます。

 

そしてラストのサビは長調に転調し勇ましく締めます。長調の「情景」はとても新鮮です。

 

短調の曲で一番最後の和音(ラストのジャーン♪)だけ長調のコードで締めるのを「ピカルディ終止」と呼びます。最後の最後に明るく終わるため、希望が差したような終わり方やゴージャスな終わり方になるのですが、それと似たような効果で短調が続き厳しかった曲調が最後に報われるような展開となっています。ハッピー・エンドの白鳥の湖です。

 

「白鳥の湖」を直接的に引用している部分以外も(まぁ調が同じだからかもしれませんが)「白鳥の湖」をアレンジしているのかな?といった感じのメロディで、つい引用部分を探して何度も聴きたくなってしまします。「情景」も「四羽の白鳥の踊り」も原曲とは違うキーで登場し、雄々しくも美しい「白鳥の湖」です。

8分ある長い曲ですが、原曲の引用の仕方も工夫されており、良い曲です。

 

 

傑作アルバム「Autumnal」

Dark Moorはスペインのバンドです。シンフォニック・パワーメタルバンドと言われていますが、その音楽性はアルバム毎に異なります。

 

「Swan Lake」が収録されているアルバム「Autumnal」はDark Moorのアルバムの中でも特にシンフォニック要素が強いアルバムです。メタル要素は比較的少ないですが、派手でスピード感のある曲が揃っています。

 

オーケストラが超かっこいいイントロを奏でる「Phantom Queen」、コーラスが力強い疾走曲「Fantus」、Nightwishの「Deep Silent Complete」っぽいけれど更に劇的に仕上げている「Don’t Look Back」、ファイナルファンタジーで空を飛びそうな雰囲気の「For Her」、洋画の主題歌のようなドラマ性のある「The Enchanted Forest」、壮大なオーケストレーションの最終曲「Fallen Leaves Waltz」と名曲揃いです。

 

歌詞も昔の戯曲や神話をモチーフにしているようで、ファンタジー感が強い作品となっています。各曲の解説でも書いたようにNightwishやゲーム音楽っぽいですが十分なクオリティです。

 

個人的にDark Moorのアルバムで一番オススメです。他のアルバムはよりスピードメタル・パワーメタル色が強くなっていたり、明るめなハードロック調になっていたりします。

2008年リリース。

 

Dark Moorは他にも多くのクラシックカバー曲を発表しています。以下の記事で紹介しているので、合わせてご覧下さい。

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1984年生まれ。生まれも育ちも長崎市です。 2人の子育てが大変なので、夜中にちまちま記事を書き通勤中と昼休みに曲を聴く日々。 趣味はインドア全般。音楽以外では辛麺と洗濯とトライエースと三島由紀夫と遠藤周作が特に好きです。 好きな作曲家はメンデルスゾーンと葉山拓亮。

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