サン=サーンス

歌劇《サムソンとデリラ》より「あなたの声に私の心は開く」/MUSE「I Belong To You」

今回紹介するのはイギリスのロックバンド「MUSE」の5thアルバム「Resistance」に収録されている「I Belong to You (+Mon cœur s’ouvre à ta voix) 」です。

 

(+Mon cœur s’ouvre à ta voix) というのが、カバーしている原曲「あなたの声に私の心は開く」の事です。

ちなみに、フィギュアスケートのロシア代表のミハイル・コリヤダ選手が2018-2019年のショートプログラム曲として使用。そして同じくロシア代表のセルゲイ・ボロノフ選手が2019-2020年のフリープログラム曲で使用しています。

収録アルバムのページで曲の視聴もできます。2012年に開催されたグラミー賞で「最優秀ロックアルバム賞」を受賞したアルバムです。パイプオルガンを使用した曲や壮大な組曲など、クラシック的要素が満載です。

アルバム収録曲である「エクソジェネシス:交響曲第3番」はフィギュアスケートのロシア代表メドベージェワ選手が2019-2020年のショートプログラムに使用する曲でもあります。

 

「I Belong To You」でカバーされている「あなたの声に私の心は開く」はサン=サーンスのオペラ《サムソンとデリラ》の中でも有名なアリアです。

 

歌唱映像。リズミカルなピアノに乗る歌メロも美しいです。


ちなみにアリアというのはオペラの中で演者が独唱するパートの事です。ソプラノ歌手がこれでもかと高音を披露するアレです。

 

「I Belong To You」

「I Belong To You」は輪舞曲風のイントロから始まる大人な雰囲気のノリの良い曲です。途中で変拍子風のバンドアンサンブルが度々登場し、中毒性があります。

 

ところが2分経過した所で、突如楽器がピアノのみとなりアリア「あなたの声に私の心は開く」が始まります。その後再び劇的にバンドサウンドが登場し、バンドとストリングスをバックにアリアを歌い上げます。最後は再びピアノがイントロのメロディを奏でた後冒頭の曲調に戻り幕を閉じます。

 

オペラのアリアのカバーを曲のど真ん中に配置し、前後をほかの曲調の曲で挟むという何とも不思議な構成の曲です。しかしこれが普通にかっこいい!

 

曲調がシフトする部分が、トリッキー過ぎないんですがインパクトがあるのです。アリアを挟む前後の曲もクラシック&ジャズという感じで言ってしまえばプログレ風なのですが、これがオシャレ&キャッチー!

 

私はこのミューズのアルバム「Resistance」を、ショパンのノクターンのカバー曲である「United States of Eurasia」とラストの組曲「エクソジェネシス(脱出創世記)交響曲」目当てで買ったのですが、「I Belong To You」が一番気に入ってしまいました。

 

 

オペラ「サムソンとデリラ」

オペラ「サムソンとデリラ」はサン=サーンスが手がけたオペラです。聖書のストーリーに基づいた物語であるため、オラトリオ的でもあります。オラトリオのように合唱曲も多く、多彩な曲調が飽きさせない構成になっています。

 

 

オペラというのはストーリーや役者の動きを追っていく分には楽しめますが、曲だけを聴くと歌手のシンプルなソロ歌唱が続き、ややもすれば退屈しがちです。しかも日本語訳があるDVDは少なく、日本語オペラも数が少ない…。更に新しいオペラは映像は美しいけれど、現代的な解釈がされておりクラシカルな世界観ではない…。

 

上記の理由もあり、有名だし世界観も好みだからといってワーグナーのオペラなんかに手を出そうとすると、大半の人は挫折してしまうのではないでしょうか。はい私です

 

しかしサン=サーンスのオペラ「サムソンとデリラ」はオペラの中でも音楽として面白い作品になっています。これから紹介する曲の存在もあり..。

 

 

大名曲「バッカナール」

オペラというのは、概ね中盤にバレエが入る部分があり、通してみると長時間かかるオペラにメリハリをつけています。

 

バレエを入れるとバレエダンサー(の脚)目当ての男性客が集まるから、という事情もあったそうです。

 

オペラ本編よりも有名なバレエ曲。ラストに最大の山場があります。最後まで聴いて下さい。

 

「サムソンとデリラ」の終盤に挟まれる「バッカナール」という曲です。しばしばブラスバンドでも演奏されるようです。フィギュアの安藤美姫選手も演技のBGMに使用した事があります。超メロディアスでダンサブルな曲です。バレエがまた官能的で美しい…。

サン=サーンスの代表曲「交響曲第3番」とファンタジー映画サウンド風の「死の舞踏」、そして「バッカナール」が収録されたCD。サン=サーンスは現代人の感性に合う、もっと広まるべき作曲家です。超オススメ。

 

「バッカナール」を映像付きで見るなら絶対このDVD。圧巻です。他にも 「あなたの声に私の心は開く」を初め、様々なオペラの代表曲が収録されています。歌手も大物揃い。有名曲集なのでストーリーは楽しめませんが、音楽&映像では一番です。

 

 

ちなみにこのMUSEのアルバム「Resistance」、もう1曲クラシックをカバーしている曲があります。こちらの記事です。合わせてご覧ください。

ノクターン第2番/MUSE「United States of Eurasia」イギリスのロックバンドMUSE。2010年リリースの5thアルバム「The Resistance」はグラミー賞の最優秀ロックアルバム賞を...

 

ABOUT ME
syro
1984年生まれ。生まれも育ちも長崎市です。 2人の子育てが大変なので、夜中にちまちま記事を書き通勤中と昼休みに曲を聴く日々。 趣味はインドア全般。音楽以外では辛麺と洗濯とトライエースと三島由紀夫と遠藤周作が特に好きです。 好きな作曲家はメンデルスゾーンと葉山拓亮。

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