クラシック風の曲・アーティスト

“クラシカルアートポップス”ユニット「love solfege」

今回紹介するのは、私がこのサイトを立ち上げるきっかけの一つにもなった存在でもある「love solfege(ラブ ソルフェージュ)」です。

 

百聞は一見に如かず。2021年リリースの最新アルバム「キネレスアルケの長い永い一夜 -the colors of wonders-」です。


「love solfege」は作曲家オーギュスト棒を中心とした音楽ユニットです。「クラシカルアートポップス」を掲げ、クラシックとポップス他のジャンルを掛け合わせた曲を発表しています。

同人音楽(アニソン界のインディーズのようなもの)でのリリースと、メジャーでのリリースを平行して実施しています。

 

中心人物であるオーギュスト棒は、「松本慎一郎」名義にてゲームのBGM等を手掛けています。ゲーム音楽も好きな私ですが、「赫炎のインガノック」というゲームの《Right hand from behind》という曲が大好きで、なんだかlove solfegeっぽいなぁと思っていたら本人作曲だったという思い出があります。それくらいオリジナリティのある作風のアーティストです。

 

歌手は複数人存在し、曲に合わせて起用されます。既存のクラシック曲を引用するわけではなく、あくまでもクラシック的手法やオーケストラ楽器を用いたオリジナル曲を制作しています。

 

クラシックベース、とはいえとても幅広い曲を作るlove solfege。その音楽性は1曲では紹介しきれません。

 

おすすめの曲を紹介

例えばこれは2007年リリースの「La Fatalite」。比較的ハードでメロディアスなアルバム。

1曲目「La Fatalite」は10分超のクラシック×メタル組曲。クラシカルなギターソロや中盤のチェンバロソロ、次々と展開する曲調など聴きどころ満載。

5曲目「forget-me-not」はニューエイジ風テクノ。

6曲目「Due destini」はオペラ二重唱×R&B。本格的なベルカント唱法とクラシカルなピアノにそのままR&Bリズムを混ぜた結果スーパーカッコ良く仕上がっている名曲です。

 

 

同じく2007年リリースの「マリアスノニウムの謝肉祭」。全体的にメルヘンチックなアルバム。言葉では伝わらない不思議な曲が勢揃い。

1曲目「プロムナード」は所属歌手勢揃いで歌う、ディズニー風のミュージカル調ソング。7分に渡る大曲。

5曲目「ネコ」はバグパイプをフィーチャーした、ジャズ風のめくるめく変拍子曲。試聴部分はおそらく15/8拍子と14/8拍子と6/8拍子と4/4拍子??

8曲目「ласточки~つばめ」はロシア人歌手がロシア語で歌う、ハウスミュージック×シンフォニックロック。

 

 

2006年リリース「over the surges」

1曲目「over the surges」は視聴で聴ける冒頭の主題の部分が、 曲のラストで明るく長調に変化して再現されるソナタ形式的な曲。

 

 

2017年リリースのメジャーアルバム「Sanctus」

1曲目「sanctus」、14曲目「聖餐唱曲およびレチタティーヴォ」はオラトリオ風ポップス。宗教音楽もここまでポップにします。すごい。

8曲目「give my word」はドラマティックな正統派マイナーポップス。

 

というわけで、クラシックをベースとしてとても多彩なジャンルの曲を発表しています。

 

そしてクラシックといえば楽譜へのこだわり。バッハも楽譜が美しいと良く言われます。

これはlove solfegeのオリジナル曲。逆行カノンという手法を用いた曲を、楽譜&解説付きで紹介しています。楽譜の始めからの順演奏と、同じ楽譜の終わりからの逆演奏を同時に演奏して曲として成り立たせるというスゴ技です。必見

 

 

こちらもオリジナル曲。カノン(いわゆる”輪唱”的手法)を楽譜付きで演奏・解説しています。1:20~からバイオリンによるカノン演奏が繰り広げられます。2ndバイオリンが4小節遅れて1stバイオリンと同じ楽譜を演奏しています。普通に曲としてもスーパーカッコいいです。曲はキャッチーな割にちょっとオカシナ事になっているピアノの楽譜にも注目。

そしてこの曲調にダンスビートを合わせる所がまたlove solfegeの良いところ。

 

 

とここまで紹介してきた通り、「クラシカルアートポップス」を提唱しクラシックとポップスの架け橋となるべく様々な曲を制作している「love solfege」。

私がクラシックの世界に足を踏み入れるきっかけの一つとなった、大好きなアーティストです。

 

おススメCD、となると難しいのですが、やはり一番は同人ベストアルバムの「Pieces of love solfege」でしょうか。こちらのリンクから通信販売にて購入できます。正しく名曲揃いです。

 

メジャーレーベルからリリースされた初期のベストアルバム「Laxury~classical best」も良いです。

 リンク先で全曲視聴できます。

 

私の個人的なお気に入りアルバムは「蓋然性進化論Ⅱ」「無窮動perpetuo」です。

あとは色々視聴してみましょう。

公式サイトは↓こちらから

love solfege

Bandcampでは同人作品が全曲試聴・購入可能です。

 

 

またlove solfegeがクラシック曲を引用した曲もあります。こちらの記事で紹介しています。是非お一読ください。

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ピアノ協奏曲第3番/love solfege「divine」ポップスとクラシック音楽のエッセンスを独自のバランス感覚で融合させた楽曲を数多く発表しているアーティストlove solfege。 ...
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syro:生まれも育ちも長崎市です。二児の子育て中。 趣味はインドア全般。音楽以外ではスマホ収集とトライエースと三島由紀夫と遠藤周作が特に好きです。 好きな作曲家はメンデルスゾーンと葉山拓亮。