2018年に惜しまれながら引退した安室奈美恵。
小室哲哉プロデュースの曲で一斉を風靡した後、洋楽ポップス風の作風にイメチェンし、再び人気歌手となりました。
そんな安室奈美恵の曲にも、クラシックを引用した曲があります。
今日は「Dr.」を紹介します。
「Dr.」
「Dr.」は2009年に「WILD」と共にカップリングされ、リリースされたシングル曲です。
作詞作曲編曲はNao’ymt。路線変更後の安室奈美恵に一番貢献している作家の一人です。「Baby Don’t Cry」もこの人の曲。
残念ながら、公開されているMVでは「ボレロ」を引用している部分は聴けません。
シングルCDにDVDが付属しています。全編アニメーションの美しいMVです。Amazonで1円(送料別)で買えるので是非。
「ボレロ」のリズム
「ボレロ」はラヴェルの曲の中でも特に有名な曲で、全12,3分程度の曲です。
バレエのために作曲された曲です。
後半部分を聴いた方が馴染みがあるかも。
有名なメロディが少しずつ形を変えながら繰り返され、徐々に盛り上がっていきます。
昔「TVチャンピオン」というテレビ番組でテーマソングのように取り上げられていたので、そこで印象に残っている人も多いかもしれません。
「こんなメロディDr.には無いよ?」と思われるかもしれませんが、「Dr.」には「ボレロ」のリズムが引用されているのです。
引用されている部分は曲の途中で突然雰囲気が変わる部分。
初めて聴いた時は「何だこれスゲー」となります。
この部分の「タン、タタタタン、タタタタン、タン」のリズムです。
「ボレロ」のリズムは基本ずっとこれなのです。なのでこのリズムといったら「ボレロ」、
「ボレロ」といったらこのリズム、なのです。
「ボレロ」の部分が曲中で持つ意味
なんで途中に唐突に「ボレロ」?という疑問が湧きます。突然リズムや曲調が変わるだけで刺激的な演出となりますが、それだけでしょうか。
歌詞を見てみると、「ボレロ」のパートの前後で、主人公の心境にやや変化があります。
「ボレロ」のパートの前は「未来を教えてDr」「恋の痛みを消し去る薬をDr」など、苦しみを何とかして欲しいと切実に願っている描写が続きます。そのまま「ボレロ」のパートでも「過去を変えて、私達を救って」とひたすら懇願しています。
「ボレロ」のパートの後では、「タイムマシーンなんていらないからあの日の私に伝えて」「時間が流れ 大切なもの見つけた」等、前よりも少し時間が経過したのか、少し落ち着き諦念もみられます。
おそらく「ボレロ」の部分は
①主人公の切実な思いが爆発している様子を表現している
②タイムワープして何かを見た(過去は変えられない事を知った?)
のどちらかではないかと考えられます。
その後「行き場所のない・さまよう愛は時空を超えて」との描写があり、その後サビでは再び「助けて」「救って」と切迫した思いを歌うようになります。
サビは諦めきれない思いが主人公の身体から飛び出し、思いを吐き出しながら時空を超えて勝手に彷徨う様子を歌っている状態と考えられます。
サビでも他の部分とはアレンジが大きく変化するため、歌詞の状況も変化していると捉えるのが自然です。
ちなみにMVでは、「ボレロ」の部分はタイムトンネルのようなものを通り抜けるシーンとなっています。またサビの直前でもアニメの主人公(実態のない安室奈美恵のような存在)が時を越えて飛び回るシーンがあります。
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