声優高垣彩陽のカバーアルバム「melodia」。現在パート4までリリースされているシリーズです。第1段に収録されている「Quel Guardo Il Cavaliere」が、ドニゼッティのオペラ《ドン・パスクァーレ》の中のアリア「あの目に騎士は」のカバーです。
2011年リリース。
高垣彩陽は声優ですが、声楽を学んでいたこともあり高い歌唱力が売りでもあります。
私が彼女の存在を知ったのは、TVアニメ「みつどもえ」OP「わが名は小学生」 。同じ人が歌っているとは思えません。
そして高垣彩陽といえば「キグルミ惑星」。アニメのキャラクターソングとは思えないクオリティのすごい曲。完全にシンフォプログレです。
プログレアイドル「xoxo(Kiss&Hug) EXTREME」のカバーがYOUTUBE上にあったので貼っておきます。ちなみにこのxoxoもクラシックを引用した曲を発表しています。こちらの記事で紹介しています。
「キグルミ惑星」フルコーラス。
1曲7分弱。高垣彩陽の原曲を概ね再現しています。序盤はオペラティックに歌われ、中盤の語りからの間奏がガチプログレ→ガチネオクラの流れでアツいです。後半は全く別展開でSound horizon風に一気に盛り上がります。
彼女が声楽を学んでおり、声優でありながらもオペラ的唱法ができる事は知っていましたが、カバーアルバムの存在を知り、手に入れてみると…。なんとドニゼッティのオペラ!?
他の選曲はアヴェ・マリアとか、ユー・レイズ・ミー・アップとか、オー・ハッピー・デイとか、アメイジング・グレイスとか、タイム・トゥ・セイ・グッバイとか、ベッタベタな選曲なのに、ドニゼッティ?
SWEETBOXのサンプリング元に1曲あったのと、たまたま持ってるDVDにアリアが収録されていたので知ってはいるけれど、私もほとんど予備知識のないドニゼッティ。
ドニゼッティはオペラでは割と有名なイタリアの作曲家です。「愛の妙薬」「ランメルモールのルチア」等が代表作です。
調べてみると、この《ドン・パスクァーレ》の曲、彼女が声楽を学んでいた時に歌ったことがある歌だそうです。
原曲の歌唱映像。
高垣彩陽のオペラ唱法は、なかなかしっかり発声できていますが、やはりプロの歌手に比べると声が細く迫力に欠けます。
しかしバックの打ち込みオーケストラの程よいチープさとその歌声はとてもマッチしており、楽曲のキャッチーさも相まって良い雰囲気が出ています。
例えばこの音に実力派のオペラ歌手が歌を当てていたとすれば、サウンドのチープさが際立ち、ちぐはぐだったでしょう。逆にこのヴォーカルに生オーケストラを合わせていれば、やはりヴォーカルの細さが目立って違和感があった事でしょう。
打ち込みのオーケストラサウンドと軽めのベルカント唱法で、いい感じにメルヘンチックな雰囲気を漂わせています。それに歌手がオーケストラを食わない程度の存在感なので素直にバックの音にも耳が行きます。これは案外いいぞ…?
それにマニアックな選曲ですが良い曲です。しっかりメロディもあり、オーケストラも程よく派手。またオーケストラと歌手の掛け合いもリズミカルで楽しい。というか原曲よりもノリがポップス風で聴きやすい感じです。オペラの敷居の高さをいい感じに低くしています。
オペラのアリアを聴きやすくシアトリカルにアレンジするこの路線は、彼女の新境地で行けるのではないでしょうか。ダメなら和製NIGHTWISH路線でも良いし…。オペラ風女性ヴォーカルはアニソン好きとは相性が悪いのでしょうか。本人の意向の問題でしょうか。それともやはりアヴェ・マリアとか、その辺の選曲じゃないと受けが悪いのでしょうか。
クラシカルコンサートのライブCDもあります。
所属ユニット”スフィア”の楽曲にも、クラシックを引用した曲があります。合わせてお読みください。
[…] 歌劇《ドン・パスクァーレ》より「あの目に騎士は」/高垣彩陽「Quel Guardo … […]
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