オーストラリアで活動するロシア出身の歌手、Natasha Morozova(ナターシャ・モロゾワ)のアルバム、「Russian Enigma」。ロシアのクラシックや民謡をカバー・引用しているアルバムです。
2011年リリース。リンク先で全曲試聴できます。
spotifyはこちらのリンクから。
曲目
“青色◎”は特によかった曲。
※DL販売でしか音源入手できない状態のため、CD原盤が入手できていません。そのためどの曲が何を引用しているのか、ブックレット等で確認できません。引用元は私が分かった分だけ記載しています。
1 ◎Fly Away On the Wings of the Wind (Polovtsian Dances)(ボロディン:だったん人の踊り)
2 ◎Steppe(ロシア民謡:ああ広き野よ)
3 Sea Change(ラフマニノフ:ピアノ協奏曲第2番 第3楽章)
4 ◎You Haunt Me(チャイコフスキー:交響曲第5番 第2楽章)
5 You’re Far Away(ラフマニノフ:ピアノ協奏曲第2番 第2楽章)
6 Love Is the Word(チャイコフスキー:交響曲第5番 第2楽章)
7 ◎Scheherezade(コルサコフ:交響曲「シェヘラザード」)
8 This Time of Year
9 ◎Third Song of Lel’(コルサコフ:歌劇『雪娘』より「レーリの第3の歌」)
10 Vocalise(ラフマニノフ:ヴォカリーズ)
11 I Wish
12 Mother’s Dreams (Mama)
13 ◎Where the Road Ends
14 Fly Away On the Wings of the Wind (Polovtsian Dances) a-capella
1 ◎Fly Away On the Wings of the Wind (Polovtsian Dances)(ボロディン:歌劇『イーゴリ公』より「だったん人の踊り」)
韃靼人の踊りを、透明感のあるヒーリング系シンセミュージックでカバー。ロシア語の多重コーラスが新鮮。ロシア版姫神みたいな感じ。
打ち込みアレンジはかなり派手め。間奏はダッチトランスばりにシンセが鳴り響く。
2 ◎Steppe(ロシア民謡:ああ広き野よ)
笛の音色と中東風ダンスミュージックを合わせたロシア民謡のポップスカバー。サラ・ブライトマンの「Harem」の方向性をさらにド派手にした感じ。これもかなりトランスっぽい。
賑やかな打ち込みアレンジと声を張り上げて歌い上げるヴォーカルがぶつかり合う、密度の濃い曲。ニューエイジ・ヒーリング系の中では相当派手な部類に入る。
3 Sea Change(ラフマニノフ:ピアノ協奏曲第2番 第3楽章)
前2曲に比べると抑えられた打ち込みにピアノとクラシックギターをほんのり加えたカバー。ヴォーカルはオペラチックではなく声量勝負のポップス歌唱。高音がちょっと厳しいけどまぁ十分上手い。
4 ◎You Haunt Me(チャイコフスキー:交響曲第5番 第2楽章)
交響曲第5番 第2楽章の前半のメロディを引用。洋楽風ダンスミュージックの要素が強いカバー。マドンナとかケイティペリーみたいな。歌唱も曲に合わせてややウイスパー風。(多分)オリジナルのサビメロもとてもポップ。そこからクラシックの旋律に移る所がドラマティック。
5 You’re Far Away(ラフマニノフ:ピアノ協奏曲第2番 第2楽章)
薄いシンセとピアノのアルペジオをバックに、パワフルに歌い上げるミドルバラード曲。中盤大胆に曲調が変わる。
初めは引用元の曲が浮かんできそうで浮かばなくてムズムズしたけれど、何の曲か分からないまま聴いても、確かにロシアらしさってあるんだなぁと感じる。
6 Love Is the Word(チャイコフスキー:交響曲第5番 第2楽章)
今度は交響曲第5番 第2楽章の後半のメロディを引用。バックの不穏に盛り上げるシンセはモーツァルトのレクイエムっぽい。不穏に盛り上げといて、原曲の明るいメロディでパッと明るくなる曲展開は、無闇にピコピコ明るい打ち込みアレンジも相まってなんだかちぐはぐな気が。劇的といえば劇的だけど。
7 ◎Scheherezade(コルサコフ:交響曲「シェヘラザード」)
カーヌーンと中東風のシンセを派手に効かせた、R&B風味が強めのヒーリング系打ち込み曲。ヒーリング系とはいえ密度の濃いアレンジメントでちっとも癒されるような曲ではない。しかしコルサコフをここまでポップにするか…。
8 This Time of Year
コーラスを重ねたボーカルに打ち込みリズム、リバーブを効かせたシンセのミドルテンポの曲。要はヒーリング系。でもちょっと打ち込みが騒がしい。たまには静かな曲も聴きたい。歌い方やアレンジなど結構凝っており、聞き流すには厳しい曲が並ぶ。
9 ◎Third Song of Lel’(コルサコフ:歌劇『雪娘』より「レーリの第3の歌」)
ロシアのクラシックに焦点を当てたアルバム、という事で思い切ったマイナー選曲。雪娘の歌曲なんて…。
アコーディオン(バヤン?)も登場し、シンセや掛け声も鳴り響く派手なロシアンポップス。凄いテンション。
10 Vocalise(ラフマニノフ:ヴォカリーズ)
多重コーラスと高音歌唱を使い分けたヴォカリーズのカバー。アルバムの中では比較的落ち着いたスタンダードなヒーリング曲。
11 I Wish
ヒーリングやニューエイジというよりは、完全にテクノに寄せたアレンジ。ビートやシンセのインパクトがかなり強い。4曲目に比べると古いテクノ。
12 Mother’s Dreams (Mama)
透明感のあるポップな曲。静かでメロディアスな序盤から、徐々に盛り上げていくも肩透かしな落としどころに落ちる曲展開。サビで盛り上がりきらないのはクラシックカバーの宿命。
13 ◎Where the Road Ends
今まで通りの派手目なヒーリング曲。民謡色の強いメロディがエモい。
14 Fly Away On the Wings of the Wind (Polovtsian Dances) a-capella
1曲目のアカペラバージョン。50秒程度の小曲。ロシア語の美しい調べを堪能しましょう。
総評
ロシアのクラシックや民謡に焦点を当てたカバーアルバム。ヴォーカルもロシア語。
かなり賑やかなアレンジの曲が多く、ボーカルの声量もかなりのもの。メロディも民謡色が強く結構濃いです。ヒーリング系と思って聴くと痛い目を見ます。クラブで大音量で聴きたい新感覚のロシアンニューエイジ。
全体的に騒がしいですが、個性的でクオリティも高い、個人的に当たりのアルバム。おススメです。
引用元が解らない曲が多くて悔しいです。誰か分かる方メールフォームでもTwitterでもコメントでも良いので教えてください!
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