クラシックカバーアルバム全曲レビュー

cossami「tricolour mermaid(トリコロールマーメイド)」

日本の女性音楽グループ、cossami(コッサミ)のクラシックカバーアルバム、「tricolour mermaid(トリコロールマーメイド)」。


2013年リリース。
こちらはDL販売。リンク先で全曲試聴できます。

曲目

“青色◎”は特によかった曲。

 

1. グリーンスリーヴス(イングランド民謡)
2. ダニーボーイ(アイルランド民謡)
3. メヌエット(ペツォールト)
4. コンドルは飛んでゆく(ロブレス)
5. スカボロー・フェア(イングランド民謡)
6. 輝く街 ~主よ、人の望みの喜びよ~(バッハ)
7.くるみ割り人形より「行進曲」(チャイコフスキー)
8. 時の踊り(ポンキエッリ/オペラ「ラ・ジョコンダ」より)
9. 婚礼の合唱(ワーグナー/オペラ「ローエングリン」より)
10. ジムノペディ(サティ)
11. G線上のアリア(バッハ)
12. パガニーニの主題による狂詩曲(ラフマニノフ)
13.ボーナストラック:人魚の指先(オリジナル) 作曲:来生 たかお

 

1. グリーンスリーヴス(イングランド民謡)

アコギと笛のシンプルなアレンジのカバー。後半は音数が増えていき、民謡風ポップス色が強くなる。

ポップなQ;indiviという第一印象だったけれど、この曲に関して言えば、むしろ坂本真綾や霜月はるかっぽい。

歌唱は甘めな声の女性と少年っぽい声の女性のツインヴォーカルで、しばしば二重唱になるスタイル。歌詞も日本語であるため、Q;indiviと比べるとBGMに徹するというよりは主張が強い。調べてみるとヴォーカルの片方は哀川翔の娘という事。そりゃBGM扱いはできんわ。

 

2. ダニーボーイ(アイルランド民謡)

アコギと弦楽器、ハープと鉄琴アレンジの癒し系クラシックカバー。冒頭のシンセからニューエイジ寄り?と思いきや間奏のストリングスなんかはかなりJPOP的というかジブリ的というか。そういう意味では正統なジャパニーズクロスオーヴァー。

「寒さに凍てついた心を一つ一つ温める」等、一応北欧の雰囲気を残した歌詞。なんだか日本人が勝手にイメージした北欧、みたいな。私のイメージでは寒いときゃ酒飲んでメタル聴くのが北欧のイメージだけど。

 

3. ◎メヌエット(ペツォールト)


色々サンプリングしているガチャガチャ賑やかな打楽器と、ピチカート風のコントラバスが印象的なおもちゃ箱的ポップスのラブソング。

ラストに鐘の音も登場し、木村カエラのmemories×Q:indiviという感じの作風で、結婚式で使用されるのを狙ったと思われる勝負曲。良い曲。

 

4. コンドルは飛んでゆく(ロブレス)

サイモン&ガーファンクルで有名な、アンデス民謡をベースにペルーの作曲家のロブレスが制作した曲。

奇をてらわないアレンジ。原曲の美しいメロディに日本語詞を乗せているだけで十分価値ありの一曲。

 

5. ◎スカボロー・フェア(イングランド民謡)

日本語詞なのに何故か”パセリセージローズマリー&タイム”だけネイティブ発音でそのまま再現しているカバー。拘りがあるんだろうか。違和感凄いぞ。

美しい原曲を邪魔しないポップスアレンジで良いカバー。ツイン女性ヴォーカルのコーラスも雰囲気が出ている。ラストの転調も劇的で良い感じ。

 

6. 輝く街 ~主よ、人の望みの喜びよ~(バッハ)

オルガンとコーラスを強調した讃美歌×JPOPといった感じの曲。これも結婚式で使えそう。

でもQ:indiviとsweetboxは英詞だし、木村カエラのButterflyはシンプルに徹した歌メロ&アレンジな上本人にも知名度があるしどちらも結婚式BGMとしてのポテンシャルがあったから使用されたわけで、cossamiは日本語詞で音圧も強くヴォーカルやアレンジの主張も強め。実際結婚式BGMには使いづらそう。プロフィールビデオなら何とか。

 

7.くるみ割り人形より「行進曲」(チャイコフスキー)

またまた冒頭から永遠の二人の愛を願う結婚式BGM狙い撃ちソング。スキャットを入れたのは正解だと思うけど、BGMにしたいなら展開部の主張が強過ぎるバイオリンソロは自重してそこもスキャットにした方が…。

 

8. 時の踊り(ポンキエッリ/オペラ「ラ・ジョコンダ」より)

おしゃれボサノヴァ風カバー。

 

9. 婚礼の合唱(ワーグナー/オペラ「ローエングリン」より)

毒にも薬にもならない今まで通りのアレンジのカバー。さすがに飽きてくる。冒頭のコーラスはなんだかkalafinaっぽくてちょっと期待したのに。

 

10. ◎ジムノペディ(サティ)

アンビエントテクノ風のシンセと水の音をサンプリングしたチルアウト曲。新居昭乃みたい。これは良いアレンジ。ヴォーカルの声質ともとても合ってる。

 

11. G線上のアリア(バッハ)

アカペラコーラスで再現するカバー。日本語アカペラコーラスクラシックカバーを聴くと、そのうち何か面白い事を言い出すんじゃないかと身構えてしまう。↓お前のせいだ!↓

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12.◎パガニーニの主題による狂詩曲(ラフマニノフ)

終盤は静かな曲が並び、ちょうど結婚式BGM風ソングに飽き飽きして来た頃に路線変更。この曲もアニメ邦画のエンディングテーマみたい。ラフマニノフの掴み所の無いメロディーを、浮遊感あるポップスにカバー。良い雰囲気。

 

13.ボーナストラック:人魚の指先(オリジナル) 作曲:来生 たかお

数多くのアイドル曲を手掛けた来生たかおの曲。今までと同様の曲調だけど、歌メロにほんのり昭和アイドルの香り。

 

総評

なんか紹介文で「エンヤやケルティックウーマンを彷彿とさせる」とか書いてあったけど、全く彷彿とさせない。

甘めな女性ヴォーカルとアコギ&ストリングスをベースにポップで程よく色彩豊かなアレンジは、なんというかクラシック×JPOP×ジブリ音楽みたいな雰囲気。やや賑やかですがBGMにも悪くないアレンジです。アニソンへ片足突っ込みそうで突っ込まない塩梅。

選曲も日本人向け。民謡もことごとくメロディアスな選曲かつ馴染みのある曲。

Q:indiviとは違ったアプローチで、若者でも聴けるオシャレ系クラシカルクロスオーヴァーを模索した一枚。例えるなら、ハウスのQ:indivi、ポップのcossami、パンクのDOLCE OATIという感じ。

 

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syro
1984年生まれ。生まれも育ちも長崎市です。 2人の子育てが大変なので、夜中にちまちま記事を書き通勤中と昼休みに曲を聴く日々。 趣味はインドア全般。音楽以外では辛麺と洗濯とトライエースと三島由紀夫と遠藤周作が特に好きです。 好きな作曲家はメンデルスゾーンと葉山拓亮。

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