いわずとしれた、クラシックとポップスを融合したクラシカル・クロスオーバーの世界的第一人者であるサラ・ブライトマン(Sarah Brightman)。
サラ・ブライトマンの数多くのアルバムの中で、私が個人的に一番気に入っている、2003年リリースの「Harem」。
その「Harem」収録の1曲「It’s A Beautiful Day」が、プッチーニのオペラ《蝶々夫人》の中のアリア「ある晴れた日に」を引用しています。
トランス風のシンセとビートに、エキゾチックな弦楽器と木管楽器が重なり、独自の雰囲気を放っています。そこに交わる蝶々夫人のアリア。
“クラシック風のポップス”から更に一歩進化したクラシカル・クロスオーバー曲です。
原曲はこちら。有名なアリアです。
オペラ《蝶々夫人》は、長崎を舞台にした作品であり、元々はアメリカの小説が原作です。
日本が舞台の《蝶々夫人》。アジアンテイストな『Harem』の雰囲気に相応しいという事での引用でしょうか。中東と日本では大分違いますが…。
こちらの作品では同じく「ある晴れた日に」を和楽器アレンジにしています。とても面白い曲に仕上がっています。
ハレム
アルバム「Harem」は、クラシック風の曲を集めたアレンジアルバム「CLASSICS」の次にリリースされたアルバムであり、アルバム全体を通して中東風の雰囲気を強く出しているアルバムです。
「だったん人の踊り」のカバーに加え、日本版ボーナストラックにはヘンデルのハープシコード組曲の中の一曲「サラバンド」のカバーも収録。
前作のオリジナル・アルバム「La Luna」やクラシックカバー曲集「CLASSICS」から大胆に路線変更した異色作でもあるため、大きくセールスを落とした作品となりました。
こちらはタイトルトラック「Harem」。「It’s A Beautiful Day」同様、エレクトロ×中東サウンドを強く押し出したアレンジの曲。
いわゆるニューエイジ系とは違った方向性で、ダンスミュージックとポップスを融合させています。
こちらは8分超の組曲「Arabian Nights」。ポップス色の強いリズム楽器と中東風のストリングス&パーカッション、本格的なエレクトロアレンジ、そして高い歌唱力が融合したミステリアスな曲。
何が凄いって、この曲調でアングラ感が出ないのが凄い。だってアラビアン・エレクトロニカ組曲ですよ。
そんな、ダンス&ワールドミュージックな曲が多く収録されているアルバム『Harem』。蝶々夫人を引用した「It’s A Beautiful Day」はそんなアルバムのハイライトと言える曲です。
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