今回紹介するのは、プログレッシブ・ロックバンド「エマーソン,レイク&パーマー」の「Nut Rocker」です。
1971年リリースのアルバム「Pictures At An Exhibition」に収録されています。このアルバムの大半を占める曲「展覧会の絵」の後のアンコール、いわゆるボーナストラック的な扱いの曲です。
言わずと知れたチャイコフスキーのバレエ曲「くるみ割り人形」ですが、この有名なメロディはその中の「行進曲」という曲です。
バレエ「くるみ割り人形」は全部で1時間半程度あり、その中で様々な曲が演奏されます。
「行進曲」はバレエの序盤で、クリスマスパーティをしている時に流れる曲です。
「クラシックバレエ」と聴くと、一番に思い浮かべるのは「白鳥の湖」で次に「くるみ割り人形」という感じですが、個人的には「白鳥の湖」よりも「くるみ割り人形」の方がおすすめです。
何故かと言うと、まず音楽。白鳥の湖も「情景」「白鳥の踊り」等有名な曲がありますが、曲のバリエーションではくるみ割り人形の方が勝っているように思えます。
まさにオープニングに相応しいウキウキするような「序曲」。
最近のファンタジー映画音楽にも通じる「金平糖の精の踊り」。ダニー・エルフマンっぽいシアトリカルなサウンドです。
そして有名な「花のワルツ」「行進曲」と名曲揃いです。
次に、雰囲気。バレエを見れば解るのですが、「白鳥の湖」は全体的に暗く、また悲劇的でもあるのでやや見た目にも地味です。ダンサーの衣装も白鳥を模した衣装は美しくはありますが、大勢並んだ所で派手さには欠けます。
「くるみ割り人形」は冒頭のクリスマスパーティ、後半のダンスパーティなど明るい舞台から次から次へと様々な衣装を着たダンサーが次々と出てきます。
また白鳥の湖は約2時間半と時間も長く、初心者には厳しいです。「くるみ割り人形は1時間半程度で終わります。またちょうど半分ずつの2部構成なので比較的冗長に感じません。
というわけで、これを機会にバレエ「くるみ割り人形」を観てみてはいかがでしょうか。
「バレエ」に興味が無い方も多いでしょうが、クラシックバレエというのは、ダンサーの動きが驚くほど曲に合っています。曲に合わせてクルクル回ったりポーズを決めたりする様は見ているだけでも楽しいものです。
更に曲に合わせてストーリーも進み、曲の世界観も補完されます。というよりも音楽はバレエの世界観を補足するためのものですので、まずバレエありきなのです。
先に曲を知って、それからバレエを観てみましょう。まるでボリュームたっぷりで高品質のミュージックビデオのようです。
おすすめブルーレイ。チャイコフスキーの3大バレエが全て入っています。ベタですが間違いないです。演出が派手なので退屈しません。
おまけ:ELPとゲーム音楽
キーボードの音色が特徴的なELPサウンドですが、色々なアーティストに多大な影響を与えています。一番身近で解り易いのはゲーム音楽です。
まず皆知ってるファイナルファンタジー。特にスーパーファミコンの頃のⅣ~Ⅵ辺りはスーファミの音源の音が似てる点も相まって、かなりELPっぽいです。ちなみに作曲家は植松伸夫氏です。
動画の8分頃からプログレパートが始まります。ELPばりのキーボードと変拍子です。
変拍子が良く解らない人は、曲に合わせて指揮をしてみましょう。わけがわからなくなるはずです。
そして桜庭銃氏。テイルズシリーズやスターオーシャンシリーズ・ヴァルキリープロファイルシリーズなどでゲーム音楽では有名な作曲家です。
例えばこの曲。エンドオブエタニティというゲームの曲です。
キーボードや曲展開など、まさにプログレッシブ・ロックです。これは実際私がハマったゲームなのですが、プレイしていて「思いっきりプログレやん!」と仰天した記憶があります。
ちなみにゲーム音楽好きの方には、ELPのアルバムの中でも「恐怖の頭脳改革」がおすすめです。特にアルバム中の1曲「悪の教典#9 第1印象 パート1」はかなりゲーム音楽っぽい名曲です。
ちょっと闇が深そうな雰囲気含め、世界観もばっちりハマるはずです。
今回紹介した「Nut Rocker」が収録されているアルバム
「エマーソン,レイク&パーマー」の「Pictures At An Exhibition」は
こちらで紹介しています。
おすすめのプログレッシブ・ロックCDなども紹介しているのでぜひ御覧ください。
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