King Gnuの中心人物でもあるミュージシャン・常田大希が主宰する音楽プロジェクト、millennium parade。楽曲「Trepanation」で、ショスタコーヴィチの交響曲第5番を引用しています。
2021年リリースのアルバム『THE MILLENNIUM PARADE』収録。
原曲はこちら。第2楽章。3:47~3:55辺りのフレーズを切り取ってサンプリングしています。サビ直前の上昇するストリングスは3:59~の部分でしょうか。
序盤で耳目を惹くショスタコーヴィチのメロディですが、その後はオリジナルに展開していきます。せっかくの印象的なフレーズをあっさり使い捨てる所がまた潔くて良いです。雑多なアイディアが次から次へと溢れるmillennium paradeの音楽性を象徴しています。途中の重厚なオーケストラヒットもショスタコーヴィチ感があります。サンプリングしているのかも??
常田大希は東京藝術大学でチェロを先行していたとの事で、クラシックにも造形が深い事が伺えます。
ショスタコーヴィチの引用に関しては、常田大希の兄でバイオリニストの常田俊太郎によるこちらの対談記事で触れられています。
millennium paradeの音楽性はとても多彩で、エレクトロニカやソウル・ファンクからクラシックやジャズ等の要素も含まれています。ヴォーカルを初めとした演奏メンバーも曲によって流動的との事で、常田大希の多様なアイディアが存分に表現されています。
ですが私が一通り聴いた印象としては、一番のベースにあるのはR&B系洋楽全般×邦楽のわび・さびだと感じました。他のアーティストで一番近いと感じたのは宇多田ヒカル。
一番気に入ったのは「Philip」。
キレイな音色と暴力的なビートのギャップがAphex Twinみたい。
ショスタコーヴィチの交響曲第5番ですが、第1楽章をイギリスのミュージシャン、モリッシーが引用しています。こちらの記事で紹介しています。
またKing Gnuの大ヒット曲「白日」に関するちょっとした考察記事も書きました。ついでにどうぞ。