ショスタコーヴィチ

弦楽四重奏曲第8番/Busdriver「Map Your Psyche」

アメリカのラッパー/プロデューサーであるBusdriver「Map Your Psyche」ショスタコーヴィチの弦楽四重奏曲第8番をサンプリングした楽曲です。


冒頭の声は、1976年のアメリカ映画『タクシードライバー』のワンシーンをサンプリング。

2005年の5thアルバム『Fear Of A Black Tangent』収録。

こちらは同じアルバム収録の曲。チェロとマンドリンのような音色が美しいトラック。

 

ショスタコーヴィチによる原曲はこちら。全15曲ある弦楽四重奏曲の中でも最も有名な第8番。第8番は全5楽章から成ります。今回サンプリングしているのは第3楽章の0:13~の部分

 

ショスタコーヴィチは、生涯ソ連による圧政に作風を干渉され、自分自身の作曲スタイルと国に求められる音楽性の間で葛藤していたと言われています。

この弦楽四重奏曲第8番も、ドイツとの戦争で亡くなったソ連国民のために作曲したという表向きのテーマと、自国の圧政に苦しむ自分自身のために作ったという裏テーマを持っていると言われており、ショスタコーヴィチ自身(Dmitri Schostakovich)を表しているDS(Es)-CH(レミ♭ドシ)の動機が曲全体を通して、隠しテーマのように使用されています。

 

第一楽章の一番冒頭のメロディが、そのD-S(Es)-C-Hの音形になります。曲の中で何度も登場します。

チェロの通奏低音が何ともいえない暗い雰囲気を醸し出す重厚な第1楽章から、一気にテンポを上げスリリングになる第2楽章へ切り替わる瞬間がとにかくドラマティックで、カッコいい。上記動画の5:00辺りから。

 

得てしてショスタコーヴィチを引用した楽曲は、それ自体に何らかの意図的なメッセージを持たせている事が往々にしてあるわけですが、歌詞を見てみてもよくわかりませんでした。すみません。HIPHOPの和訳は難しい…。

 

おまけでBusdriverの紹介を詳しくしているbounceのコラムのリンクを乗せておきます。

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syro:生まれも育ちも長崎市です。二児の子育て中。 趣味はインドア全般。音楽以外ではスマホ収集とトライエースと三島由紀夫と遠藤周作が特に好きです。 好きな作曲家はメンデルスゾーンと葉山拓亮。

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