アートディレクターの千原徹也氏と田中知之による音楽ユニット、トーキョーベートーヴェンの楽曲「カラフルトーキョー」。
ベートーヴェンの交響曲第5番『運命』第1楽章をサンプリングしています。
冒頭のメロディは、運命第1楽章の第2主題です。こちらの原曲動画の0:40~辺りからの部分。
有名な「ジャジャジャジャーン」が第1主題・一番主役のメロディであり、こちらの第2主題は第二の主役とも言えるメロディです。第1主題とは対照的な、穏やかで明るい旋律。
この第2主題のパートでも、バックで流れる低音楽器は「ジャジャジャジャーン」の第1主題のリズムを鳴らしており、主役の第1主題は曲全体を通して根底に流れています。
この部分は「カラフルトーキョー」でもしっかりと再現されています。動画の1:05~辺り。第2主題のトラックが流れる後ろでピアノが第1主題のようなメロディを奏でているのを確認できると思います。
この第1主題をアレンジして繰り返されるメロディ(シ♭シ♭シ♭ミ♭)は、コード進行に例えればⅤ⇒Ⅰの流れになり、Ⅴ⇒Ⅰの繰り返しはHIPHOPトラックの基本中の基本、超王道です。
リズミカルにループされるパーカッションと合わせて徐々に変化していく”運命の主題”が、とてもコミカルなトラックとして活かされています。
2020年リリース。カップリングの「宇宙は⼤ヘンだ!」はTVアニメ「うる星やつら」の初代エンディングテーマのカバー。
今回の作品「カラフルトーキョー」ではゲストヴォーカルとして、アコーディオン&ヴォーカルの姉妹音楽ユニット、チャラン・ポ・ランタンのももが参加しています。
またトーキョーベートーベンの楽曲を手掛ける田中知之は、様々なアーティストのRemix等を手掛けるFPM(Fantasic Plastic Machine)名義で有名です。
FPMでは、クラシック曲を様々なダンスミュージックにアレンジしたインストアルバム『QLASSIX』もリリースしています。
2011年リリース。私のサイトでは、プログレ以外のインスト作品は基本的に取り上げていないのですが、いつかインストのクラシックカバー作品のまとめ記事も作りたいと思ってます。
「カラフルトーキョー」の「運命」にコミカルな歌詞を乗せてキャッチーに仕上げている雰囲気は、上海太郎舞踏公司Bの「交響曲第5番『朝ごはん』」に何となく似ています。
こちらの記事で紹介しています。