名古屋のメロディック・スピードメタルバンドSirius Roar(シリウス・ロア)。
「REBELATION」は、ベートーヴェンのピアノソナタ第14番『月光』と、ヴィヴァルディの協奏曲集『四季』より「冬」を引用した楽曲となっています。
2016年リリースのアルバム『QUALIA』収録。
他にも、ストレートなメロスピからプログレメタルな熱い間奏になだれ込む「Grievous Cry」、必殺進行のサビとエモいギターソロ・切ないピアノが重なる「Moment」、3拍子をベースに多彩なリズムで聴かせる「The Beginning Of The End」、キャッチーなビートロック「Turn Over」、ラストの大曲ロックバラード「Rose Of Truth」等良い曲が多いです。
ギター&ドラムとシンセで引っ張る、疾走感のあるアレンジ。ヴォーカルはストレートな歌い方の女性で、ギターの音も比較的メリハリがあってクリーン。
テクニックを魅せ付けまくるわけではなくメロディとスピード感も強調したアレンジで、とても聴きやすいメロディアスなスピードメタルとなっています。
特長的なのはピアノシンセの音色です。要所要所でバンドサウンドの後ろに顔を出し、曲を美しく彩ります。
またオリジナル曲の中でも、所々ギターのフレーズがクラシカルになります。
安易にハイトーンに行かず、マイナーで低めのラインを動く歌メロが個人的にかなり好みです。
初期Sonata ArcticaとLUNATICAとX Japanを混ぜた感じでしょうか。
そんなSirious Roarですが、
「REVALATION」の前曲となる1分程度のインスト「SONATA」で月光第1楽章をピアノ・シンセ・バイオリン・エレキギターで演奏します。
それからシームレスに始まる「REVALATION」では、イントロから第3楽章をスピードメタルアレンジ。その後も曲の随所に「月光」のフレーズが登場します。
間奏ではヴィヴァルディの協奏曲集《四季》の中の「冬」第1楽章のフレーズをギターソロで演奏します。
ラストサビ前の一旦テンポダウンする場面のバックで流れるピアノのアルペジオも「月光」のフレーズ。アウトロのラストも「月光」のメロディです。
「月光」と「冬」。”シリウス”の名を冠するバンドらしく、冬の夜空をイメージした楽曲引用となっています。ぜひ冬に星空を眺めながら聴いてみましょう。