今回紹介するのはオランダのバンドXystus(ジスタス)のアルバム「Equilibrio」。
オーケストラを大々的にフィーチャーしたロック・オペラ(ミュージカル・メタル)作品です。
2008年リリース。
「ロック・オペラ」「シンフォニックメタル」というジャンルで括られる音楽は数知れずですが、このXystusの「Equilibrio」はコンセプトとオーケストラサウンドのクオリティの本気っぷりで群を抜いています。
現地ではコンサートも行っているようで、生のオーケストラに演者やダンサーも参加し、かなりガチのクオリティです。
こちらはその公演の一幕。全編に渡ってこのテンションで進んでいきます。130人の演奏家が参加しているとの事で、大変大規模な編成のロック・オペラとなっています。
全2幕からなる構成や、曲のメインテーマ(主題)を作品中で何度も再登場させる作風など、クラシック・オペラの影響を強く受けた作品です。
タイトルの「Equilibrio」は「均衡」を意味する単語であり、”崩れてしまった善と悪の均衡を戻す”と言ったテーマの作品のようです。
Xystasは1999年に結成されたバンドで、Epicaやkamelot等とツアーをした事もあるそうです。今回の作品にもEpicaのヴォーカルが参加しています。
オーケストラをフィーチャーした壮大なロック・オペラ作品というとTherionのCD3枚組の超大作「BELOVED ANTCHRIST」等もありますが、あちらは大変長い上にサウンドもXystusに比べると地味ですので、個人的には1時間でド派手なオーケストレーションを聴かせてくれるこちらの作品をお勧めします。
映画音楽が好きな方、テンポが速めで派手なオーケストラサウンドが好きな方、壮大な作品が好きな方、シンフォニックメタルは好きだけどバンドサウンドは控えめなくらいが好きな方等におススメ。音的には、NIGHTWISHを更にオーケストラ主導にしてミュージカル風にしたような雰囲気です。
インタビューでは、今後は再びバンドサウンドメインの作風に戻すといった内容が語られているため、おそらくこういったロック・オペラは一作品きりとなるのでしょう。バジェットに関しても触れられています。そりゃそうだ。
ちなみに私のサイトでは他にもロック・オペラ作品を紹介しています。こちらはモーツァルトのレクイエムを使用した作品です。

こちらはスペイン発のロック・オペラ作品。同じくおススメ。
