クラシック・クロスオーヴァーを世界的に広めた歌手、サラ・ブライトマン。
アンドレア・ボチェッリとのデュエット曲「タイム・トゥ・セイ・グッバイ」等が有名ですが、
今回紹介するのは彼女の曲の中でも異色の曲「Fleurs Du Mal(嘆きの天使)」。
オーケストラと混声合唱をフィーチャーした、ガチのシンフォニックメタルです。
普段は癒し系な曲ばかり歌っているクラシカル・クロスオーヴァー界の大御所がシンフォニックメタルに挑戦した、異種格闘技戦のような曲。
2008年リリースのアルバム『神々のシンフォニー(Symphony)』収録。「嘆きの天使」以外の曲はいつも通りの穏やかなクロスオーヴァー曲が並び、正直やや拍子抜けのする曲構成。マーラーの交響曲第5番を引用した楽曲も収録。
曲調的にはWithin Temptationから派生していったミドルテンポのシンフォメタルですが、やはりメジャー第一線で活躍してきたサラ・ブライトマンだけあって、歌い方やメロディ・リズム楽器の使い方に大衆性があります。映画音楽みたい。
贅沢で壮大な管弦楽アレンジは素晴らしく、本人もさすがの歌唱力を披露しています。
個人的にはもうちょっと歌声に迫力が欲しかったですが、声量を抑えたミックスも作品のメジャー感を出すのに一役買っているとも言えます。NIGHTWISHなんかよりもだいぶ聴きやすい。
ポップス歌唱とオペラ歌唱を使い分け、メジャー然とした雰囲気と哀愁を帯びたシンフォメタル路線が融合した、シンフォニックロックの名曲です。
サラ・ブライトマンの他の作品もこちらの記事で紹介しています。合わせてご一読ください。