アメリカのメタルバンドSymphony X。
2000年リリースの5thアルバム「V(ファイブ)-新・神話組曲」内の曲「光から闇へ – The Death of Balance」でモーツァルトのレクイエム中の1曲「Lacrymosa(涙の日)」を引用しています。
Symphony Xはアメリカ出身のバンドで、男性ヴォーカルのメタル的サウンドにクラシック要素や変拍子リフなどを混ぜたシンフォニック・プログレメタルとでも呼ぶべき音楽を作っています。
「シンフォニー」の名をバンド名に冠していますが、それほど交響曲的ではありません。バックでキーボードがオルガンorストリングス音でコードを鳴らしている程度です。
ちょうどハードロックとメタルとクラシックとプログレの中間に位置するようなサウンドであり、シンフォニック・メタル好きがプログレメタルに手を出す前にワンクッション置く(もしくはその逆)のにちょうど良い感じです(そんなシチュエーションあるかな…)。
プログレメタルというとドリーム・シアターが有名ですが、ドリーム・シアターに手を出す前にSymphony Xを聴きましょう。
V(ファイブ)-新・神話組曲
アルバム「V(ファイブ)-新・神話組曲」はSympony Xのアルバムの中でも特にクラシック要素が強いコンセプトアルバムです。その名の通り全体を通して組曲形式となっており、特にラストの2曲「蘇るアトランティス」は合わせて13分程度に及ぶ壮大な曲です。
アルバム全体を通してシンセストリングスかオルガンか何かしかが鳴っています。また複雑なリズムも多く、3拍子・4拍子・5拍子・6拍子・7拍子・11拍子と全て取り揃えております。変拍子のデパート。
かといってそこまで難解かというとそこまでではなく、かっこいいリフや歌メロ、シンセに耳を傾けているだけでも十分楽しめるアルバムとなっています。もちろんアルバムコンセプトに浸るのも良し。
ちなみにアルバムの1曲目のインスト「Prelude」はヴェルディのレクイエムの「Dies Irae(怒りの日)」のカバーです。
「光から闇へ – The Death of Balance」はアルバムの9曲目に位置しており、収録時間的にもちょうど後半の始まりといった所のインストメインの曲です。アルバム中で一番シンフォニックなナンバー。
視聴部分で解ると思いますが、かなりテクニカルなインストです。映画音楽風の出だしから複雑なリズムでのキメを連発するプログレッシブなバンド・サウンドです。かっこいい。
2分ほどそんな感じのセッションが続いたあと、オルガンの音色と共にレクイエムのパートに移ります。ここもカッコいい!「Lacrymosa」の合唱部分も登場し、結構しっかりと原曲を再現します。
原曲の視聴リンクも貼っておきます。
この「光から闇へ – The Death of Balance」から始まる後半戦がアツいです。特に後半のクラシカルな間奏が出色の出来な「愚者の楽園」、めくるめく展開のラスト「蘇るアトランティス」は名曲といえます。1,2曲目を除いてアルバム序盤ははっきり言って退屈な展開ですが、後半から一気に盛り上がります。
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