ベネズエラのシンフォニック/ゴシックメタルバンド、Nota Profana。アルバム『The Devil’s Playground』にて、ベートーヴェンの交響曲第7番 第2楽章と、モーツァルトの《レクイエム》の中の一曲「怒りの日」をシンフォニックメタルカバーしています。
2013年の2nd。
クラシカルな旋律も多かった1stに比べるとオーケストラ&クラシック成分は減退し、無機質で現代音楽的なストリングスを纏ったアヴァンギャルドメタル、といった感じの作風となっています。
こちらは同アルバム収録の「The Lake」。静と動、美と醜のコントラストが美しい。
今まで聴いてきたアーティストで近いと思ったのはUnexpect。彼らほどブッ飛んでは無いけど。
Unexpectによる2011年の3rd『Fables Of The Sleepless Empire』。このアルバムは凄いぞ。
ベートーヴェンの交響曲第7番 第2楽章は、どマイナーな旋律を何度も繰り返しながら、少しずつ盛り上がっていく曲です。
Nota Profanaのカバーはそんな原曲の良さを引き出した良カバーです。終盤でようやく待望のバンドサウンドが登場する所は鳥肌モノ。
できれば中間部も含めた上で、合唱も入れてもう一段盛り上げて欲しかった気もしますが、交響曲第7番のカバーを短く控えめに終わらせ、アタッカ(シームレス)的に次のレクイエムのカバーに移る事で組曲のような雰囲気を作り出しており、結果的にレクイエムに移る場面で最高潮を迎えます。
レクイエムのカバーは原曲の譜面に結構忠実で、程よく良い感じにデスメタルの要素を加えています。世界が終末を迎える時に最後の審判が下されるシーンを表現している「怒りの日」ですが、これは間違いなく地獄行きパターンでしょう。
メタルアレンジがやたらと多いモーツァルトのレクイエムですが、そんな中でも屈指の出来ではないでしょうか。
合わせ技で一本のクラシックカバーです。
このNota Profana、日本のアニメ《エルフェンリート》のEDテーマLiliumのカバーをしている動画もありました。これも物悲しくていい曲なんですよね。
Nota Profanaのもう一曲のクラシックカバーはこらら。こっちは収録アルバムの出来が大変良いです。合わせてどうぞ。