20世紀フランスの作曲家、フランシス・プーランク。
今回紹介するのは、バレエ音楽《牝鹿》です。
代表的な曲は、組曲版第1曲にあたる「ロンド」。聴いていてウキウキしてくるような、オープニングに相応しい名曲。
20世紀のクラシックは、不協和音や不思議なメロディ・ド派手だったり無音だったりと極端な音作り等が特徴的な、「無調音楽」「現代音楽」と言われるような曲がとても多く登場しました。
しかしプーランクはそんな時代の潮流に反するようにシンプルで親しみやすい楽曲を多く作曲しました。
とはいえやはり20世紀。派手で突拍子のない音や変拍子など、現代音楽の良い所を備えつつもキャッチーな曲を作っている作曲家です。そういう意味ではR・シュトラウスにやや近いような気がしますが、R・シュトラウスよりももっと親しみやすくポップです。そのあたりがフランスらしさなのでしょうか。
彼らがいなければジョン・ウイリアムズやアラン・メンケンのような映画音楽も無かったかもしれません。
そんなプーランクのバレエ音楽《牝鹿》。プーランクが24歳の時に作曲した、実質デビュー作のような作品です。デビュー作らしく軽妙で瑞々しい雰囲気が溢れています。
現在は合唱パートを除いた全5曲から成る組曲版がスタンダードですが、個人的には全9曲から成る「全曲版」をおススメします。
男女の掛け合いがコミカルな、変拍子なのに超キャッチーな第5曲「遊戯」や、明るい雰囲気の「序曲」など省くにはもったいない曲ばかりです。
《牝鹿》全曲版や協奏曲等を収録した2枚組CD。
プーランクは宗教音楽でも有名であり、多くの楽曲を残しています。宗教音楽にもプーランクらしさがギュっと詰まっています。
こちらはGloriaの4曲目、「Domini Fili Unigenite」。
こちらは私がとても気に入っている「悔悛のための4つのモテット」。4曲とも静かで美しい、素晴らしい曲です。
1曲目「Timor et tremor」
20枚組4000円のプーランク全集。「牝鹿」も全曲版を収録。5年ほど前から欲しい欲しいと思っているけれど、ポチれずにいます。これを機に買おうかなぁ。