日本のメタルバンドLOVEBITES(ラブ・バイツ)。
「ABOVE THE BLACK SEA」「UNDER THE RED SKY」の2曲に渡り、ラフマニノフのピアノ協奏曲第2番と交響曲第2番を引用しています。
正統派メタル然としたサウンドの中に光るクラシック要素。シンフォニックメタルやメロディックスピードメタルとは少し違う、硬派なメタルサウンドです。1曲目「THE CRUSADE」はIRON MAIDENの代表曲でありヘヴィメタル界全体の代表曲とも言える、「Aces High」のオマージュ曲と思われます。軍隊を想起させるアルバム全体のコンセプトと「Aces High」の世界観は共通する物があり、意図的な模倣でしょう。
2018年リリースのミニアルバム「BATTLE AGAINST DAMNATION」収録。
「ABOVE THE BLACK SEA」では、サビメロ及びギターソロにピアノ協奏曲第2番第1楽章冒頭のメロディ。
続く「UNDER THE RED SKY」では間奏及びアウトロで交響曲第2番第3楽章の主題を奏でます。
どちらも、ラフマニノフの曲の中で最も有名な部分の一つです。
クラシックに造詣の深いメンバーがいるとの事で、今回紹介する曲は彼女たちの楽曲の中でも、とりわけクラシカルで壮大な楽曲となっています。
ですがこのLOVEBITES、普段はもっとバリエーション豊かなメタル曲を多く発表しているバンドです。
こちらはデビュー曲「Don’t Rite The Dust」。メタルに和製ロックとアニソン風のエッセンスを混ぜたキャッチーな曲。
こちらは2020年発売のアルバム『ELECTRIC PENTAGRAM』の一曲、「WHEN DESTINIES ALIGN」。ストレートなスピードメタル。
そしてこのアルバム『ELECTRIC PENTAGRAM』のラストを飾る楽曲「SWAN SONG」はショパンの革命のエチュードを引用した楽曲となっています。