今回紹介するのは、オワタP Feat. 初音ミクの「トルコ行進曲 オワタ\(^o^)/」です。
MV。原曲のコミカルな雰囲気が強調されています。
原曲のトルコ行進曲を16ビートのリズミカルな曲にアレンジしています。
原曲の冒頭とは違って短調のパートから始まり、期待感を高めるコードをシンプルにシンセが奏でるイントロが個人的に好みです。
ボーカロイドとクラシック
ボーカロイドというのはPC上で歌声を作り出せるソフトです。長所といえば
①歌が下手な人や録音環境が無い人でも歌唱曲が作曲できる。
②自分とは性別や声質が違う歌声を使用できる。
③音程が高い歌など、難易度が高い歌でも問題なく作曲できる。
④全国の人が作曲して公開する事で膨大な量の曲が誕生し、コミュニティや2次創作的な楽しみができる
等が上げられます。
有名曲「初音ミクの消失」。
あえて人間ではまともに歌えない難易度の曲を作り、また初音ミクというキャラクターに独自の設定を付けて世界観を演出する、ボーカロイドの特徴を最大限に活用している曲です。
このボーカロイド、実はクラシックと大変相性が良いです。
理由①:古いクラシック曲の著作権は消失しており気軽にカバーできる
理由②:クラシックは詳細な楽譜があるため、楽譜をそのままPCに打ち込めば曲の完成!
理由③:超高音も出せるのでソプラノ曲もオールOK!
私の大好きなクラシック曲の一つに、ヘンデルのオラトリオ「メサイア」の中の1曲「ラッパが響いて…」というのがあるのですが、たまたま検索したら
こんなのまであるのか…と仰天です。
「ボーカロイド」はそれ自体がジャンル化しているため、多種多様な楽曲も初音ミク(ボーカロイド)の曲として普通に受け入れられます。
例えばこの曲。
炉心融解feat.鏡音リン
ドラムンベースと言うかなりマニアックなジャンルの曲なのですが、当時大人気の曲でした。「良いものは良い」と自然に受け入れられる間口の広さがボーカロイド界にはあります。
「トルコ行進曲 – オワタ\(^o^)/」もクラシックだからとかそういう理由では無く、単に「面白い」「聴いてて楽しい」といった理由で支持されていたのでしょう。
オワタ\(^o^)/の動機
クラシックでは「動機(モチーフ)」という単語がでてきます。曲の顔・イメージとなるメロディ、とでも言うのでしょうか。一番解り易いのは運命の「ジャジャジャジャーン♪」です。「ジャジャジャジャーン♪」が少しづつ形を変えたりしながら曲の随所に出てきます。
またオペラでは色々な人物が代わる代わる登場しますが、登場人物毎にそれぞれ特徴のあるメロディが設定されており、それも動機(モチーフ)と呼んだりします。ワーグナーの楽劇などが解り易いです。
「トルコ行進曲 – オワタ\(^o^)/」も曲の随所で同じメロディに合わせて「オワタ\(^o^)/」と繰り返し歌われます。この「オワタ\(^o^)/」が曲の動機(モチーフ)となっており、曲全体を象徴するワード・メロディになっています。
ネットで聴く音楽の先駆けとしての「ボカロ」
最近色々なアーティストのミュージックビデオに、歌詞を乗せただけのシンプルなものが増えてきています。「Lyric Video」とか言われますが、低予算で手軽に作成でき、歌詞を見ながら聴けるため動画サイトで音楽を聞くには便利です。この「Lyric Video」、ボーカロイド界ではかなり早くから浸透していました。
音楽をネットの動画で楽しむ。といった近代の音楽の聞き方を一早く取り入れていたのがボーカロイドであり、曲のジャンル問わず面白ければなんでも良いと言った多様性のある革新的な業界(?)でもあります。
「トルコ行進曲 – オワタ\(^o^)/」も「炉心融解」も収録されているCD。最近ボカロはどんな曲が流行っているのでしょうか。
[…] […]