クラシックバイオリンと大衆音楽のクロスオーヴァーを積極的に行なっているヴァイオリニストの宮本笑里と、クラシック×HIPHOP/R&Bのパイオニア、Sweetboxの元ヴォーカルJADEによる日米混成ユニットSaint Vox(セイントボックス)。
「Don’t Leave Me This Way-energy flow-」で、モーツァルトの「交響曲第25番」と坂本龍一の「energy flow」を引用しています。
2009年リリースのアルバム「Saint Vox」収録。
曲全体に渡って「energy flow」がフィーチャーされています。サビもenergy flowをなぞったようなコード進行です。
間奏のソロバイオリンで交響曲第25番 第1楽章のメロディが演奏されます。
シンプルなクラシック作品やインスト曲も数多く発表している宮本笑里ですが、この作品と同じ年にリリースしたミニアルバム「break」もバイオリンに打ち込みリズムやポップスレンジを加えた実験的な作品でした。Saint Voxもその延長線上にある作品と言えます。
ミニアルバム「break」は私もとても気に入っているアルバムです。表題曲はカノンをベースにオリジナルに展開していく、バイオリン×打ち込みリズムのインスト曲。ヴォーカル付きで聴いてみたい一曲。
こちらの記事で紹介している曲も収録されています。ボレロを不思議なリズムで引用している名曲。
「Saint Vox」は音楽プロデュースをSweetboxのGEOが行なっています。映画音楽など有名な日本のインスト曲をバイオリンにフォーカスしながらSweetbox流R&Bに仕上げており、まさしく宮本笑里×Sweetboxをそのまま形にしたような作品となっています。