ビゼー

アルルの女/DA PUMP「Com’on! Be My Girl!」

ただのサンプリングじゃない!DA PUMP流のクラシック解釈&アンサーソング

 

DA PUMP「Com’on! Be My Girl!」をご存知でしょうか?

PVはこちらから。

 

 

爽やか路線とCM出演で一気に名を挙げた「Crazy Beat Goes On!

その次にリリースされた、洋楽風味を取り入れながらも硬派なJPOP路線へと舵を切った名曲「We can’t stop the music」 今聴いても超かっこいい!

今となっては皆が知っている、俺の行く故密かに暗示する「if…

 

これらのシングルに挟まれて2000年にリリースされたのが「Com’on! Be My Girl!」です。

はっきり言って影は薄く、セールス的にも振るわなかったシングルですが、

ビゼーの「アルルの女」を引用しています。

 

 

「アルルの女」はビゼーが作曲した、戯曲のBGMです。今では全8曲の組曲として演奏されます。

Com’on! Be My Girl!」はそんな「アルルの女」のメロディのごく一部のみをサビの出だしと間奏のラップ部分で使用しています。サンプリングってやつです。

 

 

「ちょっとかっこいいメロディだからチョロっと拝借しちゃったぜ」引用というのはそんなものではありません。

原曲と比べてみると、「Com’on! Be My Girl!」がしっかり「クラシック」している事が解ります。

 

 

前述の通り「アルルの女」は全8曲、30分程度の組曲です。厳密には第1組曲・第2組曲がそれぞれ4曲ずつ。

Com’on! Be My Girl!」で引用されているメロディは、「アルルの女」1曲目の第1組曲「前奏曲」とラストの第2組曲「ファランドール」で使用されています。

解りやすく説明すると、一番出だしにチョロっと出てきて、30分後のラスト3分で再び流れてくるメロディです。

 

「それだけ?」という感じですがクラシックでは良く有る事で、初めに出てきたメロディが長い旅を経た後に帰ってくる場面は感慨深く鳥肌モンなのです。

 

ラストの「ファランドール」は、その有名なメロディ「3人の王の行列」と運動会のようなメロディの「ファランドール」が転調しながら交互にめくるめく登場する面白い曲です。

 

一方「Com’on! Be My Girl!」ではどうでしょう。イントロに一瞬だけ登場する主題のメロディ。その後何もなかったかのように曲が進み、サビで再び主題が登場します。そしてまた普通の曲に戻り、2番のサビから間奏のラップ→間髪入れずにラストサビと矢継ぎ早に主題が形を変えながら登場しそのままフィナーレを迎えます。

サビでは一瞬しか登場しない主題のメロディが、終盤のラップパートでようやく全貌を現し曲は最高潮を迎えます。「待ってました!」と言わんばかりです。

 

つまり、「Com’on! Be My Girl!」は4分弱の短い曲ですが、主題のメロディの使い方や構成は原曲の「アルルの女」と共通しているのです。

 

次は歌詞を見ていきます。

Com’on! Be My Girl!」の歌詞を一部抜粋します。

“冷や汗まみれの一途なOh my mind 君はまだ気づかない”

”何万回も言えるLOVE YOU!!”

“過去最大級のBABY I LOVE YOU!”

…要は何万回も過去最大級に一途に大好きだけど恥ずかしくて告白できない///でも今日こそはっ!

 

という感じでしょうか。

 

…ダサい、とか軽い、とか趣が無い、とか言うのはちょっと待ちましょう。

原曲の「アルルの女」のストーリーは、

主人公の男性がアルルの闘技場の女性に一目惚れをしてしまいながらも他の許嫁と結婚する。しかしアルルの女を忘れられない主人公は結婚式の夜に自ら命を経つ。 という話です。

 

これだけならまだしも、結婚式に至る経緯として、許嫁の女性は、主人公の気持ちを知って一度は身を引こうとします。その献身的な思いに心を打たれた主人公は許嫁との結婚を決意するのです。

 

つまり許嫁の女性からすれば、主人公を思って身を引こうとした決意が結果的に彼の命を奪う事になったわけです。

 

相手を思う気持ちが結果的に相手の生命を奪う。過去最大級の悲劇です。何万回も後悔するでしょう。

 

主人公の潔く相手を決めない煮え切らない態度と、ラストのエゴ&ペシミズム的な自害が全員を不幸にしています。

 

皆さん、どっちの男が良いですか?

Com’on! Be My Girl!」は「アルルの女」の主人公に対し、「俺ならこうする!」「現代日本人ならそんな悲劇は起こさない!」とDA PUMP(現代人)なりの解釈を持って答えたアンサーソングと言えます。

 

クラシックに対して、現代日本人はどう考えているでしょう。おそらく大半は「長い!」「歌が無い!」「もっとリズム感があって乗れる感じがいい!」「解りにくい!」という感じではないでしょうか。

 

Com’on! Be My Girl!」は、曲・歌詞共に「アルルの女」を現代流に解釈した曲であり、悲劇的な結末を迎えた原曲を救済するアンサーソングでもある、と言えます。

 

 

ちなみに個人的にDA PUMPで一番好きな曲は

GET ON THE DANCE FLOORです。ド派手なファンク&ラテンサウンドがたまりません。

 

ガチで和太鼓をフィーチャーした轍-WADACHI-

も類を見ない名曲です。これこそオンリーワン。

この2曲が収録されたCDはこっち。1曲目の沖縄風サウンドから少しづつジャンルが変わっていき、最後に再び和風サウンドに戻ってくる構成が最高です。DA PUMPいちの名盤。
CCCDなのでダウンロード購入がおすすめです。

 

 

 

ABOUT ME
syro
1984年生まれ。生まれも育ちも長崎市です。 2人の子育てが大変なので、夜中にちまちま記事を書き通勤中と昼休みに曲を聴く日々。 趣味はインドア全般。音楽以外では辛麺と洗濯とトライエースと三島由紀夫と遠藤周作が特に好きです。 好きな作曲家はメンデルスゾーンと葉山拓亮。

COMMENT

メールアドレスが公開されることはありません。