R.シュトラウス

交響詩『ツァラトゥストラはかく語りき』/ androp feat. Creepy Nuts「SOS!」

日本のロックバンドandropとヒップホップユニットCreepy Nutsのコラボレーションシングル「SOS!」R.シュトラウスの交響詩『ツァラトゥストラはかく語りき』の「Einleitung(導入部)」をサンプリングしています。


2017年リリース。Creepy Nutsは、当時まだメジャーデビュー直後。変幻自在のフロウは既に確立されています。とりあえずRHYMESTERの影響を強く受けている事は良く解る。

andropは2008年結成の4人組ロックバンド。ポップスに寄せた楽曲が多いですが、エレクトロニクスを混ぜた憂いのある曲も多く、ほんのりポストロックの要素もあります。

2021年に入ってからは、最近のバンドに在りがちな”流行のHIPHOP系に寄せたおかげでバンドメンバーの存在意義が危うい”系です。

 

R.シュトラウスによる原曲の『ツァラトゥストラはかく語りき』。冒頭のフレーズが映画《2001年宇宙の旅》で使用された事で大変有名です。

このフレーズ、ポップスを初めとして様々な場面で使用されています。しかしそのインパクトの強さが故に、殆どがイントロで出オチで使われ、そのまま使い捨てされる事の多い不遇の曲となっています。


 

しかし「SOS!」は、珍しく一曲を通して原曲のフレーズを大事に使っています。貴重なサンプリング曲。ブリッジのリリックでニーチェの単語を出しているのは、R.シュトラウスが題材にしたニーチェの著作『ツァラトゥストラはかく語りき』を踏まえてでしょう。

 

原曲の『ツァラトゥストラはかく語りき』は第1部の冒頭のフレーズばかりが有名ですが、全9部からなる約35分の交響詩です。しかしR.シュトラウスの交響詩の中では、やや地味で冗長な印象です。

『ドン・ファン』や『死と変容』、『ティル・オイレンシュピーゲルの愉快ないたずら』等の方が短く纏まっており派手で聴きやすいです。


余談

R.シュトラウスやandropとは全然関係無いのですが、イタリアのプログレッシヴ・ロックバンドMuseo Rosenbachがニーチェの『ツァラトゥストラはかく語りき』を題材にして制作した『Zarathustra』というアルバムがあります。

私はこの作品がめちゃめちゃ大好きなのです。プログレで一番のアルバムを挙げろと言われたら迷わずこれを挙げます。

本来R.シュトラウスの『ツァラトゥストラはかく語りき』の冒頭のフレーズは、ニーチェの原作の「知恵を蓄えるためにずっと山の洞窟に籠っていたツァラトゥストラが、洞窟から遂に出てくる」というシーンを音楽で表現しています。

Museo Rosenbachの『Zarathustra』では、そのシーンをまた別のアプローチで表現しています。その後も最後までずっとクライマックス。

ABOUT ME
syro
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1984年生まれ。生まれも育ちも長崎市です。 2人の子育てが大変なので、夜中にちまちま記事を書き通勤中と昼休みに曲を聴く日々。 趣味はインドア全般。音楽以外では辛麺と洗濯とトライエースと三島由紀夫と遠藤周作が特に好きです。 好きな作曲家はメンデルスゾーンと葉山拓亮。

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