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アメリカのラッパー、Killah Priest(キラー・プリースト)。「Maccabean Revolt」という楽曲で、リストの交響詩「前奏曲(レ・プレリュード)」をサンプリングしています。
2000年リリースの2ndアルバム『View from masada』収録。ストリングスが主役の「Hard Times」、民族楽器の音色が印象的な「Gotta Eat」等、シンプルながらも耳に残るトラックが満載の作品です。
曲名の「Maccabean Revolt」は、マカベア戦争の事を指します。
紀元前にユダヤ人がシリアの宗教弾圧に対して反乱を起こした戦いの事です。
アルバムタイトル『View from masada(マサダからの眺め)』の”マサダ”というのも、ユダヤ人がローマ帝国に対して蜂起したユダヤ戦争の舞台となった遺跡の事であり、ユダヤ教(及び自身が黒人である事)をテーマとするリリックが、彼のアイデンティティとなっています。
リストの原曲はこちら。引用しているのは冒頭の部分。
「人生は”死”への前奏曲に過ぎない」というリストの人生観を表現した曲と言われており、宗教を題材とした作品にふさわしい引用です。
曲全体を聴くと、勇ましさや明るさも感じる曲です。しかし「Maccabean Revolt」は美しい旋律の一部を切り取り、神秘的な雰囲気を作り出しています。とてもセンスの良いサンプリングです。
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