【雷啼の魔女】ケルベロス(斉藤朱夏)「Ⅳ. THE THUNDER」/ホルスト:組曲《惑星》より「木星」
山で獣に襲われ、恐怖感と姉のフェンリルを助けたい気持ちが暴走してクリファの魔女と化してしまったケルベロス。
彼女のラメント「Ⅳ. THE THUNDER」では、イントロやBメロ・間奏でホルストの「木星」のメロディが使用されています。
ホルストの原曲はこちら。今回主に引用されている有名なパートは、曲の中間部にあたります。こちらの動画の3:12~。
また、「Ⅳ. THE THUNDER」後半(3:35~)のオーケストラによる重厚な間奏部は、「木星」冒頭の主題をアレンジしたメロディになっています。上の原曲動画の冒頭、0:10~の部分。
ホルストの組曲《惑星》は、それぞれの惑星をテーマにした7曲から成る作品です。
全7曲から成る《惑星》の4曲目が「木星」となります。
「木星」は組曲《惑星》の中でも特に著名な楽曲で、イギリスの愛国歌、またイングランド国教会の聖歌にもなっています。ラグビーワールドカップのテーマソングとしても有名です。
どうしてケルベロスのラメントで、組曲《惑星》の「木星」が使用されているのか?ですが、いくつか考えられます。
1.木星の英名「Jupter」は、ローマ神話にて雷を司る神であるユーピテルから名付けられています。ケルベロスは雷を司る魔女です。
2.木星の中は常に嵐が起こっており、絶えず雷が鳴り、吹雪が舞い続けていると言われています。ケルベロスは雷を操り、姉のフェンリルは吹雪を操る魔女です。
3.ケルベロス・フェンリルともに、神話に登場する獣の名前であるという共通点がありますが、もう一つの共通点として、【惑星の衛星】の名前でもある事が挙げられます。木星は惑星の中でも一番大きく重力が強いため、周囲を回る衛星がとても多いことでも有名です。
また、「木星」のカバーとして平原綾香の「jupiter」も有名ですが、この曲は星と星との引力による繋がりを、人と人との繋がりに擬えた楽曲です。
ケルベロスのラメントもまた、一度離れても再び引力によって惹かれ合い近づく運命にある惑星同士の関係を、ケルベロスとフェンリルの関係に重ね合わせているのかもしれません。
ちなみに余談ですが、クリファの魔女は全部で10人おり、月をモチーフとしたルナリンドや、天皇星の衛星の名前でもあるオフィーリア、太陽系の小惑星の名前でもあるナターシャやフォルティナ(フォルトゥナ)、アリア「月に寄せる歌」が有名なドヴォルザークのオペラの名前を冠するルサールカ、天文学者である[A.A.ペンジアス]と同じ名前であるA.A.など、何だか関連がありそうな名前が並びます。(こじつけのような気もしますが…)。
[ラメントが古典曲をモチーフとしている][北欧神話から名前をとっている]以外にも、宇宙関連でクリファの魔女に共通する要素があるのかもしれません。
今後のラメントでクラシック曲「月光」やドヴォルザークの曲が出てきたらビンゴかも???
次ページは、テオドラのラメントの考察です!
初めまして。イスカと申します。X.THE FLOWERの考察大変楽しく拝見しました。
初めまして。イスカと申します。X.THE FLOWERの分析、大変楽しく拝見しました。そこで1つ質問なのですが、この楽曲を「ニ短調」と判断したのはどの要素からであるのかご教示いただく事は可能でしょうか。音楽について学び始めたばかりで自己解決できなかった為に質問させていただいた次第です。お時間のよろしい時で構いませんので、よろしくお願い致します。
コメントありがとうございます!大変励みになります。
私は基本的に主音の音階をまず聴き取る事から始める事が多いです。
ペツォールトのメヌエットはト長調で、メロディが一区切りする所の音(主音)がソ(ト)の音になっています。
X.THE FLOWERの場合はその部分の音階がレ(ニ)なのでニ短調orニ長調と予測できます。あとは他の部分のメロディでどの音階を使用しているかで短調or長調を概ね判断しています。ニ長調の場合はファとドが#、ニ短調の場合はシが♭、といった感じです。
だいぶ前に書いた記事なのであまり覚えていないのですが、X.THE FLOWERの場合はファ#とド#を多用していたので二長調ではなくニ短調と判断したのではないかと思います。
ただ私もいかんせん素人なので、間違っている可能性もあります。すみません。