ベートーヴェン

交響曲第5番「運命」/ロビン・シック「When I Get You Alone」

アメリカのミュージシャン、ロビン・シック(Robin Thicke)。デビューシングル「When I Get You Alone」で、ベートーヴェンの交響曲第5番「運命」第1楽章をサンプリングしています。

ファンキーな「運命」。新鮮です。

 

 2003年リリースのアルバム「A Beautiful World」収録。当アルバムリリース当時の名義は「シック(THICHE)」。

 

ファンク・ミュージック風のアレンジである「When I Get You Alone」。ファンクでは、1拍目に「ジャン♪」といったバンドのユニゾンが基音で繰り返し鳴らされる事が多いですが、この「When I Get You Alone」ではそのユニゾンに運命の動機(ジャジャジャジャーン)が使用されています。

 

というか、ファンクミュージシャン”ウォルター・マーフィー”が1976年にリリースした”運命”アレンジ曲である「A FIFTH OF BEETHOVEN(邦題:運命’76)をサンプリングしています。

この曲は1976年の映画「サタデーナイトフィーバー」でも使用された、とても有名なディスコ・ファンクチューンです。

 こちらで視聴できます。超かっこいいです。

 

 

 

原曲の「運命」では「ソソソミ♭」である運命の動機(ジャジャジャジャーン)ですが、「When I Get You Alone」では「ソソソド」と形を変えて登場します。

こちらはハ短調の音階。ミ♭はハ長調では使わない音であり、ミ♭が含まれる運命の動機の「ソソソミ♭」は短調らしさ、暗さを持った音型です。

こちらはハ長調の音階。「When I Get You Alone」で形を変えて登場する運命の動機「ソソソド」はハ長調でも同様に使用できる音型です。したがって短調らしさ、暗さを表現する音型とはなりません。

 

という事で、運命の動機を明るく変形させて使用している「When I Get You Alone」は、ファンク風のリズムアレンジも相まって、運命をサンプリングしているのにも関わらず、シリアスになりすぎない軽快な曲調に仕上がっています。

 

 

 

この曲のリリース当時は知名度の低かったロビン・シックですが、この後リリースされる2ndアルバム及び、2013年リリースのアルバム「Blurred Lines」がヒットします。「Blurred Lines」はグラミー賞にもノミネートされました。

 

日本版MVでAKB48とコラボしたシングル「ブラード・ラインズ〜今夜はヘイ・ヘイ・ヘイ♪」。

ちなみにこの曲、他の曲の盗用だとして裁判が成され、ロビン・シック側が敗訴しています。

こちらのリンクから、その件についてのニュース記事が読めます。大変読み応えのある内容の記事です。

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syro:生まれも育ちも長崎市です。二児の子育て中。 趣味はインドア全般。音楽以外ではスマホ収集とトライエースと三島由紀夫と遠藤周作が特に好きです。 好きな作曲家はメンデルスゾーンと葉山拓亮。